フォルケルト(英語表記)Volkelt, Johannes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フォルケルト
Volkelt, Johannes

[生]1848.7.21. リプニク
[没]1930.5.8. ライプチヒ
ドイツの哲学者,美学者。感情移入美学の代表者。 1883年バーゼル,89年ウュルツブルク,94年ライプチヒの各大学教授。カントおよびドイツ観念論の影響を受け,哲学的には批判的形而上学の立場に立った。美学的には,リップスと並んで,感情移入の作用を美学的に基礎づけ,かつその体系化を試みた。また美的範疇論に関しては,心理主義美学の立場から範疇をきわめて多種にわたって枚挙,分類した。主著『経験と思惟』 Erfahrung und Denken (1886) ,『美学体系』 Das System der Ästhetik (3巻,1905~14) ,『確実性と真理』 Gewissheit und Wahrheit (18) ,『美意識論』 Das ästhetische Bewusstsein (20) 。

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百科事典マイペディアの解説

フォルケルト

ドイツの哲学者,美学者。リープマンとともにカント解釈の形而上学的方向を代表する。美学ではリップスとともに感情移入説の代表的論者著書《美学体系》(1905年―1914年),《美意識》(1920年)など。

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世界大百科事典 第2版の解説

フォルケルト【Johannes Volkelt】

1848‐1930
ドイツの哲学者。ことに美学者として名高い。バーゼル,ビュルツブルク,ライプチヒなどの大学教授を歴任し多数の著作がある。カントおよびドイツ観念論を学び,認識論から発して批判的形而上学を精力的に唱えた。美学者としてはT.リップスとともに感情移入美学の双璧と称揚されており,詳密な美的範疇論を構築した。だがその美学は旧来の思弁的美学と新たな心理学的美学との総合に立つ規範的美学であり,究極のところ美の形而上学へと向かっていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フォルケルト
ふぉるけると
Johannes Volkelt
(1848―1930)

ドイツの哲学者。バーゼル、ウュルツブルク、ライプツィヒ各大学教授を歴任。カント、ヘーゲル、ショーペンハウアー、E・v・ハルトマンの影響を受け、認識論、形而上(けいじじょう)学、美学、宗教哲学で業績を残した。批判的観念=実在論および批判的形而上学の代表者。彼自身は自説を主観主義的超主観主義と称した。認識論を確実性の無仮定的理論とし、形而上学を絶対者、神に進む学とし、絶対的精神の形而上学が宗教学であると唱えた。美学においてはリップスによって唱えられた感情移入説を採用し、思弁的美学と心理学的美学の総合を図った。著書『経験と思惟(しい)Erfahrung und Denken(1886)など。[千田義光]

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367日誕生日大事典の解説

フォルケルト

生年月日:1848年7月21日
ドイツの哲学者,美学者
1930年没

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世界大百科事典内のフォルケルトの言及

【感情移入】より

…目に見るものを通じてその心に触れるという体験はどのようにして成立するのか。その根拠をT.リップスやフォルケルトは,経験による類推とか連想の作用でなく,いっそう根源的で直接的な作用である感情移入にあるとした。ところでこの作用が美的観照においては実生活にみられるよりはるかに深く,余すところなく行われて,知覚と感情を融合させ主客の一体化をもたらすことから,両人はここに美意識の中心現象をみとめ,感情移入美学を成立させた。…

※「フォルケルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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