思惟(読み)シイ

デジタル大辞泉 「思惟」の意味・読み・例文・類語

し‐い〔‐ヰ〕【思×惟】

[名](スル)
考えること。思考。「思惟方法」「心中思惟
貧乏を根治するの策は、一に貧民所得を増加するにあるがごとく―す」〈河上肇貧乏物語
哲学で、感覚知覚と異なる知的精神作用。→思考
しゆい(思惟)1

し‐ゆい【思×惟】

[名](スル)
仏語対象を心に浮かべてよく考えること。また、浄土荘厳しょうごんを明らかに見ること。
しい(思惟)」に同じ。
「つくづく静かに―すれば」〈露伴・二日物語〉

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精選版 日本国語大辞典 「思惟」の意味・読み・例文・類語

し‐ゆい【思惟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しい(思惟)
    1. [初出の実例]「大臣、答へて云く、此の事、善く可令思惟(しゆいせしめ)給しと」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    2. 「寄手は又、思の外敵大勢なるよと思惟(シユイ)して」(出典:太平記(14C後)八)
  3. 仏語。考えめぐらすこと。思いはからうこと。しい。
    1. [初出の実例]「其有三種五濁、七種学人。亦有思惟習気」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. 「五劫(ごこう)思惟(シユイ)の後、南無阿彌陀仏と名を呼ばれ」(出典:仮名草子・夫婦宗論物語(1644‐46頃))
    3. [その他の文献]〔無量寿経‐上〕
  4. 仏語。親鸞では、思惟を正受と対応させ、正受は他力の信力、思惟を方便と解する。
    1. [初出の実例]「言教我思惟者即方便也」(出典:教行信証(1224)六)

し‐い‥ヰ【思惟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「い」は「惟」の漢音 )
  2. 思うこと。考えること。思考。しゆい。〔広益熟字典(1874)〕
    1. [初出の実例]「言葉敵手(がたき)などのあらざるこそ結句幸ひぞと思惟(シヰ)せるが如く」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一)
    2. [その他の文献]〔漢書‐董仲舒伝〕
  3. しゆい(思惟)
  4. 哲学で、感覚、知覚以外の認識作用。分析、総合、推理、判断などの精神作用をいう。〔哲学階梯(1887)〕

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普及版 字通 「思惟」の読み・字形・画数・意味

【思惟】しい(ゐ)・しゆい

思う。考える。魏・曹植〔親親を通ずるを求むる表〕古人ずる、風の詠ずる、復(ま)た世に存す。臣伏して自ら思惟するに、豈に錐刀(すいたう)の用(小刀ほどの役だち)無(なか)らんや。

字通「思」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「思惟」の意味・わかりやすい解説

思惟
しい

思考

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「思惟」の意味・わかりやすい解説

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しい

思考」のページをご覧ください。

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