思惟(読み)しい

デジタル大辞泉の解説

し‐い〔‐ヰ〕【思×惟】

[名](スル)
考えること。思考。「思惟の方法」「心中思惟
「貧乏を根治するの策は、一に貧民の所得を増加するにあるがごとく―す」〈河上肇貧乏物語
哲学で、感覚・知覚と異なる知的精神作用。→思考
しゆい(思惟)1

し‐ゆい【思×惟】

[名](スル)
仏語。対象を心に浮かべてよく考えること。また、浄土の荘厳(しょうごん)を明らかに見ること。
しい(思惟)」に同じ。
「つくづく静かに―すれば」〈露伴・二日物語〉

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大辞林 第三版の解説

しい【思惟】

( 名 ) スル
考えること。思考。しゆい。 「其-する所甚だ卑下にして/明六雑誌 19
〘仏〙 「しゆい(思惟)」に同じ。
〘哲〙 「思考しこう」に同じ。

しゆい【思惟】

( 名 ) スル
〘仏〙 思いはからうこと。考えること。分別すること。思考。しい。
しい(思惟)」に同じ。 「さらに出直ほして-して見て/浮雲 四迷

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精選版 日本国語大辞典の解説

し‐い ‥ヰ【思惟】

〘名〙 (「い」は「」の漢音)
① 思うこと。考えること。思考。しゆい。〔広益熟字典(1874)〕
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一「言葉敵手(がたき)などのあらざるこそ結句幸ひぞと思惟(シヰ)せるが如く」 〔漢書‐董仲舒伝〕
③ 哲学で、感覚、知覚以外の認識作用。分析、総合、推理、判断などの精神作用をいう。〔哲学階梯(1887)〕

し‐ゆい【思惟】

〘名〙
※今昔(1120頃か)一「大臣、答へて云く、此の事、善く可令思惟(しゆいせしめ)給しと」
※太平記(14C後)八「寄手は又、思の外敵大勢なるよと思惟(シユイ)して」
② 仏語。考えめぐらすこと。思いはからうこと。しい
※法華義疏(7C前)一「其有三種五濁、七種学人。亦有思惟習気
※仮名草子・夫婦宗論物語(1644‐46頃)「五劫(ごこう)思惟(シユイ)の後、南無阿彌陀仏と名を呼ばれ」 〔無量寿経‐上〕
③ 仏語。親鸞では、思惟を正受と対応させ、正受は他力の信力、思惟を方便と解する。
教行信証(1224)六「言教我思惟者即方便也」

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