出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
民俗舞踊。各国各地方の住民がその地域や職業などと密接に結びつくかたちで伝承してきた踊りのことだが,日本で〈フォーク・ダンス〉という場合,明治時代以降紹介されたヨーロッパ系の民俗舞踊をさす。この名称および概念は,中世ヨーロッパにおける宮廷舞踊の発展に対し,フランスのプロバンス地方の農民の間から生まれた舞踊をダンス・ポピュレールと呼んだことに始まるといわれている。日本では,1872年(明治5)の学制公布とともに唱歌と体術(のちの体育)の教科がおかれ,舞踊的教材が〈遊戯〉という名で採用され,これらとともにヨーロッパのフォーク・ダンスの一部が取り入れられた。さらに今日行われているフォーク・ダンスは,第2次大戦後アメリカ軍の進駐により導入されたスクエア・ダンスsquare danceの影響が強い。アメリカのスクエア・ダンスはヨーロッパ系のフォーク・ダンスや社交ダンスのカドリーユから変化したもので,踊り方は方形や輪形,2列形などに組んで,相手が交互に入れかわるところに特徴がある。
→民族舞踊
執筆者:桜井 勤
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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