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剣舞 けんぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

剣舞
けんぶ

(1) 朝鮮の古典的な踊。4人の女性が舞装に武帽をかぶり,両手に持った短剣を頭上に振りかざしながら舞うもの。古代の器舞に端を発し,李朝英祖 (在位 1724~77) の代に尖袖舞,公莫舞の前後2部に改造されて宮中宴礼用の法舞となった。現在はその変形が公私宴用の俗舞として行われる。 (2) 日本の近代舞踊の一つ。紋服に袴姿で,詩吟に合せて日本刀を振りかざして踊る。江戸末期に始ったとされ,明治期には,日清・日露戦争富国強兵政策の影響下で隆盛をきわめた。大正初期にかけてはこれに演劇的要素を加えた改良剣舞や娘剣舞が行われ,興業として人気を博した。その後次第に衰微し,現在は同好者の間で継承されている。『川中島』『城山』『白虎隊』などが著名。「吟舞」ともいわれる。

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デジタル大辞泉の解説

けん‐ばい【剣舞】

岩手・宮城両県に分布する民俗芸能念仏踊りの一種で、鬼剣舞・念仏剣舞・鎧(よろい)剣舞・雛子(ひなこ)剣舞などがある。笛・太鼓・鉦(かね)などの囃子(はやし)で、激しく跳躍しながら踊るものが多い。

けん‐ぶ【剣舞】

剣を持ち、詩吟に合わせてまう舞(まい)。

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百科事典マイペディアの解説

剣舞【けんばい】

岩手・宮城両県の各地の祭に行われる民俗芸能。鬼剣舞,雛子(ひなこ)剣舞,羽根子剣舞,念仏剣舞,大念仏などがある。鬼剣舞は鬼の面,赤熊(しゃぐま),鎖帷子(かたびら),大口袴(ばかま)のしたくで剣を抜いたりして勇壮に舞う。

剣舞【けんぶ】

詩吟に合わせて刀を抜き舞う舞い。吟者,舞者ともに袴(はかま)をつけ,舞者は白襷(だすき)・白鉢巻の仕度に刀や扇を持って舞い,詩の情緒を表現する。元来は武士から起こったもので,明治初期に日比野雷風が剣道の型をとり入れて整理した。
→関連項目詩吟

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世界大百科事典 第2版の解説

けんばい【剣舞】

青森県,岩手県の旧南部領内と岩手県,宮城県の旧伊達藩領内に分布する念仏踊(踊念仏)の一種。青森県では鶏舞(けいばい)と称して鶏冠風の鳥甲(とりかぶと)をかぶって舞うが,もとは悪霊を踏み鎮める呪法の反閇(へんばい)からでた芸とみられている。古く役行者(えんのぎようじや)が念仏普及のために始めたとの伝説などがあるように,山伏たちの手で伝承された修験道に基づく舞踊で,踊り手が剣や御幣,扇子などを持ち替えて力強く跳躍したり足踏みしたりする。

けんぶ【剣舞】

詩吟に合わせて剣の型を見せる舞踊。安政年間(1854‐60)に江戸昌平黌(しようへいこう)の学生が酔にまかせて詩を吟じ,剣を抜いて舞ったのが始まりといわれる。明治維新で職を失った士族が大道芸まがいの見世物に用いたりもした。悲壮感の溢れた吟詠によるので,とくに日清戦争のころまで富国強兵の時流に乗って流行した。紋服,白鉢巻に袴の股立(ももだち)を取った扮装で演じる。《川中島》《城山》《白虎隊》などが有名である。

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大辞林 第三版の解説

けんばい【剣舞】

東北各地および新潟県などに見られる芸能。大念仏・念仏剣舞・鬼剣舞・雛子剣舞などがあり、念仏踊りから出たと思われる。赤熊しやぐまのかぶり物に鬼の面をつけ、抜刀して踊る鬼剣舞は特に有名。

けんぶ【剣舞】

詩吟にあわせ、剣をふるって舞う舞。つるぎのまい。

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世界大百科事典内の剣舞の言及

【朝鮮演劇】より

…この百済の伎楽が現在の韓国における仮面劇の母体であるとの説もある。新羅は7世紀の後半に三国を統一し,加羅(伽倻),百済,高句麗などの舞楽を集成し,剣舞,無(むがい)舞,処容舞,五伎などの形で後世に伝えた。剣舞は仮面を着用し,演劇性をおびた仮面童子舞であり,唐代の剣器舞の影響がみられる。…

※「剣舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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