フキノトウ

食の医学館 「フキノトウ」の解説

フキノトウ

《栄養と働き&調理のポイント》


 春の訪れを告げる山菜として人気があるフキノトウは、フキのつぼみの花茎で、野山や道ばたなど、日あたりのよい場所に自生するキク科多年草です。わが国最古の野菜の1つで、現在では栽培もされています。
 自生しているものを摘む時期は、雪の少ない地方では、2月ころに若草色のつぼみを摘みます。雪の多い地方では、雪が解けきらないうちに、雪の下で黄色い「ほう」が開き、芽をだしたものを摘みます。
○栄養成分としての働き
 栄養成分としてはビタミン類やカリウムカルシウムなどのミネラルを含み、食物繊維も比較的豊富に含むので、便秘(べんぴ)に効果的といえます。
 特有の香りとほろにがい味わいは、カリウムとポリフェノール化合物のクロロゲン酸によるものです。
 調理する際は、まず根元の部分を薄く切り落として外側の筋っぽい葉を取り除いてからゆでます。ゆでたものは和えものやつくだ煮、味噌漬けにします。生のままてんぷらにしてもいいでしょう。
 アクが強いときは、重曹(じゅうそう)を加えた湯でゆであげ、1~2時間、水にさらしたままにしておきます。
 フキノトウを具に入れた味噌汁を常食していると、スタミナがつき、たんが切れるとともに整腸浄血作用が期待できるといわれています。
○漢方的な働き
 フキノトウの薬効としては、古くから、せきを鎮めたり、たんを除く、健胃、浄血、毒消しなどが知られています。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フキノトウ」の意味・わかりやすい解説

ふきのとう
ふきのとう / 蕗の薹

キク科(APG分類:キク科)の植物、フキの花茎。早春鱗片(りんぺん)状の苞(ほう)に包まれた塔状の花茎が伸びる。これをふきのとうとよんで、吸い物前菜とし、青臭い特有の香りとほろ苦味を季節感とともに味わう。

[齋藤 浩 2022年4月19日]


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百科事典マイペディア 「フキノトウ」の意味・わかりやすい解説

ふきのとう

フキの若い花茎。花が開かぬ前の鱗片状の包葉に包まれたものを食用にする。特有の芳香と苦味があり,焼いたり,ゆでたりしたものに練りみそをつけて食べたり,てんぷら,つくだ煮などに,また刻んで吸物の実にする。

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世界大百科事典(旧版)内のフキノトウの言及

【フキ(蕗)】より

…花をつける地上茎には舌状の苞状葉をつける。葉柄を〈ふき〉,花茎を〈ふきのとう〉といっている。栽培品種は日本で野生系統から選抜,淘汰されたものであり,愛知早生ブキやミズブキは三倍体で,軟質で大型になり,促成栽培に適し品質もよい。…

※「フキノトウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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