コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

フミン酸

3件 の用語解説(フミン酸の意味・用語解説を検索)

栄養・生化学辞典の解説

フミン酸

 腐植酸ともいう.植物の葉などが主として微生物の作用によって分解されて,不溶性の状態で残った比較的高分子の物質.茶褐色を呈する場合が多い.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

フミン‐さん【フミン酸】

植物の枯死体が微生物のはたらきにより分解されてできる腐植質に含まれる有機酸の一。アルカリに可溶で、酸で沈殿し、赤褐色から黒色を呈する。土壌のほか、河川や湖沼の水・堆積物に存在する。腐植酸。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フミン酸
ふみんさん
humic acid

石炭化度の低い泥炭や褐炭に含まれる、アルカリに溶けて、酸で沈殿する有機高分子化合物をいう。外見は褐色から黒色を呈する。土壌中に存在するものを土壌フミン酸という。
 フミン酸やフルボ酸fulvic acidは一般に森の広葉樹の落葉が微生物の働きによって腐植化してできる有機酸であり、腐植物質Humic substanceとよばれる。フミン酸は酸(水素イオン指数pH<1)に不溶、アルカリ(高pH)に可溶で分子量は3000~数十万程度である。土壌、堆積物などに多く含まれており、色が濃いのが特徴で、有機炭素成分の大部分を占める。フルボ酸は酸、アルカリに可溶で分子量は300~3000程度である。pHに関係なくすべての溶液によく解けるのが特徴であり、河川に溶けている有機物の4割を占める。
 カルボキシ基(カルボキシル基)-COOHやカルボニル基-CO、ヒドロキシ基-OHなどを多く含むため、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリに可溶となり、一種の高分子電解質とみなされる。複雑な混合物であり、含有されている試料によって元素組成、官能基数などが異なる。石炭を空気などで酸化すると、やはりアルカリ可溶・酸不溶のものが得られるが、これは再生フミン酸とよばれる。水可溶の低分子酸に至る中間生成物である。また硝酸で酸化しても同様のものが得られるが、ニトロ基を含有しており、ニトロフミン酸とよばれる。いずれも分子量は1000~10万程度とされ、測定法によっても一定しない。ニトロフミン酸は工業生産されたことがあり、ボーリング泥水の調整剤、土壌改良剤、肥効増進剤、窯業原料やセメント製造原料の調整剤、コンクリート施工上の調整剤などとしても用いられる。
 自然界にあっては天然の腐植物質が存在し、フルボ酸と土壌中の鉄が結合してフルボ酸鉄となって海まで到達していたものが、高度経済成長に伴う林業政策や大型の開発事業によって、フルボ酸ができにくい杉や赤松などが植林されたり、森の腐葉土層が削られたりしたために、フルボ酸が生成されにくい環境になってきた。これが原因の一つとなって鉄の供給力が弱くなり、沿岸地域に「磯焼け」とよばれる一種の海の砂漠化現象が引き起こされている。磯焼けした沿岸地域は海産物も不毛化するため、人工的な腐植物質とさまざまな鉄源を組み合わせて沿岸地域に鉄を供給するシステム開発が進められており、フルボ酸やフミン酸に磯焼け修復の役割が期待されている。[荒牧寿弘]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

フミン酸の関連キーワード顕花植物補償点革質披針形腐植栄養湖腐植質腐植土アブシシン酸アラバン腐植酸

今日のキーワード

ネコノミクス

猫が生み出す経済効果を指す造語。2012年に発足した安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」にちなみ、経済が低迷する中でも猫に関連するビジネスが盛況で、大きな経済効果をもたらしていることを表現したもの。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

フミン酸の関連情報