ワシントンにあり、東洋美術のコレクションにおける世界有数の美術館。アメリカ合衆国連邦政府が管理する総合的文化研究機関スミソニアン・インスティチューションに属す。デトロイトの実業家であったチャールズ・ラング・フリーアが1906年に収集品をスミソニアンに寄託し、東洋美術の作品を購入する基金を設立したことに始まる。彼の死後、作品はワシントンに移され、フィレンツェ・ルネサンス宮殿風の美術館が完成して、1923年から公開された。フリーア自身の四度にわたるアジア旅行などを通じ、日本、朝鮮、中国、インド、中近東の絵画、彫刻、工芸品が幅広く収集されている。日本美術には『地蔵菩薩(じぞうぼさつ)縁起絵巻』、俵屋(たわらや)宗達の『松島図屏風(びょうぶ)』などの名品がある。またフリーアと親交のあった画家ホイッスラーがイギリス実業家のためにデザインした「孔雀(くじゃく)の間」を館内に移築するなど、彼の1000点にのぼる作品を所蔵し、彼と同時代のアメリカの画家たちの作品も数室に掲げられている。
[湊 典子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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