ブリュンティエール(英語表記)Ferdinand Brunetière

デジタル大辞泉 「ブリュンティエール」の意味・読み・例文・類語

ブリュンティエール(Ferdinand Brunetière)

[1849~1906]フランスの文芸批評家進化論文学史研究適用。著「文学史におけるジャンルの進化」。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブリュンティエール」の意味・わかりやすい解説

ブリュンティエール
Ferdinand Brunetière
生没年:1849-1906

フランスの批評家,文学史家。1875年から自然主義攻撃の論文を《両世界評論》誌に寄稿し始め,93年にはその主筆となる。その間86年にはエコール・ノルマル・シュペリウールの教授に任命され,当時の学界・批評界に大きな影響を与えた。彼は〈批評の科学〉を構築することを意図し,C.ダーウィン進化論を援用して《文学史におけるジャンル様式)の進化》(1890)を唱え,作品の系譜的つながりの中にはそのジャンルに固有の法則が見いだされるとしたが,彼の法則性の理解や作品の価値判断は独断に満ちたもので,結局,その科学的客観性は古典主義擁護のための衣装にすぎなかった。晩年にはカトリシズム擁護の論陣を張った。なお代表作には,《自然主義小説》(1882),《フランス文学史に関する批評的研究》9巻(1880-1925),《19世紀フランス抒情詩の進化》2巻(1894),《フランス文学史要綱》(1897)などがある。
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百科事典マイペディア 「ブリュンティエール」の意味・わかりやすい解説

ブリュンティエール

フランスの批評家。独学で博識を得,高等師範学校講師,《両世界評論》主筆などを務める。印象批評に対して裁断的批評を主張,文学史における〈ジャンル進化論〉を唱える。晩年カトリックに回心。《フランス文学史の批評的研究》9巻(1880年―1925年),《自然主義の破産》など。
→関連項目両世界評論

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