ブルーサイト(その他表記)brucite

デジタル大辞泉 「ブルーサイト」の意味・読み・例文・類語

ブルーサイト(brucite)

ブルース石

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ブルーサイト」の意味・わかりやすい解説

ブルーサイト
brucite

白色板状の軟らかい鉱物水滑石すいかつせき),ブルース石とも呼ぶ。化学成分Mg(OH2だが,Mgの一部をFe2⁺,Mn2⁺などで置換することがあり,その場合,灰・淡緑・淡青色を呈する。また含Mn種では淡黄・淡褐色の着色をする。モース硬度2~2.5,比重2.39。三方晶系に属し,{0001}面にへき開が完全である。樹脂状,ガラス光沢を示すが,底面方向では真珠光沢が現れる。板状・葉片状結晶を示すが,軟らかい塊状集合体となることが多い。加熱(410℃)により脱水してペリクレースMgOに変化するが,空気中に放置すると水分を吸収して再びブルーサイトに戻り,体積膨張が起こる。蛇紋岩中にその分解生成物として産出する場合,ドロマイトの接触変質部に,一度生成したペリクレースの変質物として生成する場合がある。酸に容易に溶解する。
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化学辞典 第2版 「ブルーサイト」の解説

ブルーサイト
ブルーサイト
brucite

Mg(OH)2.水滑石ともいう.天然に鉱物として産出する水酸化マグネシウム.りょう面体結晶.六方晶系,空間群 Pm1,格子定数 a0 = 0.313,c0 = 0.474 nm.単位格子中に1個の基本組成を含む.へき開{0001}完全.硬度2.5.密度2.39 g cm-3.微晶の集合塊は淡黄緑色を呈し,ろう石に似た外観を呈し,通常,共生鉱物として滑石(タルク)や蛇紋岩を随伴する.400 ℃ で脱水する.天然には比較的まれな鉱物であるが,北朝鮮咸鏡北道には経済的鉱床がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルーサイト」の意味・わかりやすい解説

ブルーサイト
brucite

Mg(OH)2 。水滑石 (すいかっせき) ともいう。六方晶系の鉱物。結晶は板状で,普通葉片状の集合体。硬度 2.5 ,比重 2.39 。白ないし灰色。ドロマイト,菱苦土鉱,特に蛇紋石などの含マグネシウムケイ酸塩鉱物の分解物として産する。マグネシウム耐火煉瓦の原料英名はアメリカの鉱物学者 A.ブルースに由来する。ハイドロタルサイト Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O のことも,水滑石と訳される例もあるので,混同を避けるためにブルーサイトと呼ぶのが好ましい。

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世界大百科事典(旧版)内のブルーサイトの言及

【水酸化鉱物】より

…陽性成分である金属,例えばMg,Alとそれぞれ水酸基が2個および3個結合し,Mg(OH)2とAl(OH)3が生成する。前者はブルーサイト,後者はギブサイトである。それぞれ水分の多い環境において生成する鉱物であって,ブルーサイトは高マグネシウム含有岩石の蛇紋岩などの風化分解,低温の熱水変質などにより加水された結果生成した鉱物であり,ギブサイトは酸性岩の風化分解作用による加水の結果生じた鉱物であってボーキサイトの主成分鉱物である。…

【水酸化マグネシウム】より

…化学式Mg(OH)2。天然にブルーサイトとして産出する。マグネシウム塩の水溶液に水酸化ナトリウムなどの強アルカリを加えると,白色,コロイド状の沈殿として生ずるが,アルカリ溶液中で加圧下で熱すると三方晶系の結晶となる。…

※「ブルーサイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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