日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
プライス(Leontyne Price)
ぷらいす
Leontyne Price
(1927― )
アメリカのソプラノ歌手。ミシシッピ州ローレル生まれ。1949年奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院に学び、52年からガーシュインのオペラ『ポーギーとベス』の巡回公演に参加、各地でベス役を歌った。55年プッチーニのオペラ『トスカ』の主役で成功。以後、指揮者カラヤンの推薦で、ヨーロッパの主要歌劇場でベルディの『アイーダ』『トロバトーレ』に出演、70年代末ごろまで豊かな声、とくに高音域の声の美しさなどで名声を博した。その後オペラにかわってリサイタルを増やし、85年のメトロポリタン歌劇場における『アイーダ』公演を最後にオペラの舞台からは引退した。彼女は「黒いプリマ」とよばれ、黒人歌手のオペラ界における地位向上に重要な役割を果たした。
[美山良夫]
『ピエール・マリア・パオレッティ著、南条年章訳『スカラ座の人』(1988・音楽之友社)』▽『スカイラー・チェイピン著、ジェームズ・ダニエル・ラディチェス写真、藤井留美訳『わが友、すばらしきオペラの芸術家たち』(1998・フジテレビ出版)』▽『Joseph D. McNairLeontyne Price(2000, Child's World, Chanhassen)』