プリックテスト(英語表記)prick test

デジタル大辞泉 「プリックテスト」の意味・読み・例文・類語

プリック‐テスト(prick test)

即時型アレルギーの原因物質を確かめるため、アレルゲンの疑いのある物質をプリック針で少量皮膚に入れて反応を調べる方法スキンプリックテスト皮膚プリックテスト。→パッチテスト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリックテスト」の意味・わかりやすい解説

プリックテスト
ぷりっくてすと
prick test

皮膚における即時型アレルギー反応を惹起(じゃっき)する抗原を検索する目的で、原因と思われる物質(被疑物質)を皮膚に接触させ皮膚表面の変化をみる検査法。皮膚アレルギー検査、単刺試験ともよばれる。皮膚に軽く針を刺して(prick)微細な傷をつくり、その部位に被疑物質を直接滴下することからその名がついた。

[安部正敏 2021年8月20日]

目的・方法

皮膚における即時型アレルギー反応を検出するために行う検査である。前腕内側など、検査しやすい部位の皮膚を、注射針などを用いて出血しない程度に軽く刺す。その後、その上に少量の被疑物質(抗原液)を滴下し、15~30分後に皮膚表面の変化を観察する。膨疹(ぼうしん)(皮膚の盛り上がり)が生じた場合、その径の長さに応じて判定を行う。なお、先に抗原液を滴下したのち、針で皮膚を穿刺(せんし)してもよい。結果として、陽性反応が得られた物質が、即時型アレルギー反応を惹起する抗原であることが判明する。

[安部正敏 2021年8月20日]

注意点

本検査法は、皮内アレルギーテストに比べて安全性は高いものの、患者にアナフィラキシーショック既往がある場合、本検査でもショック症状を呈することがあり注意すべきである。アナフィラキシーショックの既往がある患者では、針による穿刺を行わない方法を試みる。すなわち、抗原液を前腕内側に貨幣大の大きさでそのまま静置し、15~30分後に膨疹の出現の有無を観察する。

[安部正敏 2021年8月20日]

検査対象

本検査法は小児に対しても行われる。花粉症アレルギー性鼻炎食物アレルギー口腔(こうくう)アレルギー症候群、ラテックスアレルギー薬剤アレルギーなど、検査対象となる疾患は幅広い。近年注目される口腔アレルギー症候群ラテックス-フルーツ症候群などでは、交差反応性抗原の試薬も登場しており、医療機関で簡便に検査できる。

[安部正敏 2021年8月20日]

『内藤亜由美・安部正敏編『スキントラブルケア パーフェクトガイド』改訂第2版(2019・学研メディカル秀潤社)』

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