ベルガモット(読み)べるがもっと(英語表記)bergamot

翻訳|bergamot

デジタル大辞泉 「ベルガモット」の意味・読み・例文・類語

ベルガモット(bergamot)

ミカン科の常緑低木。花は白い。果皮から、オーデコロンなどの香料原料とする油をとる。主産地イタリア

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精選版 日本国語大辞典 「ベルガモット」の意味・読み・例文・類語

ベルガモット

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] bergamot(t)e ) ミカン科の常緑低木。主にイタリアで栽培される。花は小形の白色果実扁円、倒卵、洋梨形など。果皮はレモン色で、ベルガモット油を含む。
    1. [初出の実例]「香水の原料となって、人に知られて居る芳香は〈略〉ベルガモット、ネロリ」(出典:化粧美学(1924)〈三須裕〉香水)

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改訂新版 世界大百科事典 「ベルガモット」の意味・わかりやすい解説

ベルガモット
bergamot orange
Citrus bergamia Risso et Poit.

レモンに近いミカン科の植物で,ダイダイとレモンまたはライムとの雑種と考えられている。レモンに似た高木で,白い花が咲く。果実は果頂のとがった球形。果皮を圧搾して,淡緑色で強い芳香のベルガモット油をとる。化粧品とくにオーデコロンの原料として欠かせないし,セッケンの香料にも使われる。香りの成分は酢酸リナリル34~40%,l-リナノールなど。イタリア南部,シチリア島などが主産地で,同地方では数百年以前から利用されており,ベルガモット油が世界各地に輸出されている。栽培法はネーブルオレンジやバレンシアオレンジに準じる。日本では小豆島などで試験的に栽培され結実しているが,経済的栽培はない。なおシソ科で北アメリカ各地に生えるヤグルマハッカMonarda fistulosa L.もベルガモット(英名wild bergamot)と呼ばれ,これも花の香りがよい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルガモット」の意味・わかりやすい解説

ベルガモット
べるがもっと
bergamot
[学] Citrus bergamia Risso et Poit

ミカン科(APG分類:ミカン科)の常緑低木。イタリアで数百年前から知られ、ダイダイとレモン、あるいはライムとの雑種から由来したものと考えられ、変異に富む。葉は大きく、小鋸歯(きょし)があり、葉柄は長く、大きい翼葉がある。花は白色。果実は120~150グラムで扁円(へんえん)、倒卵、洋ナシ形があり、へそがあるものが多い。果皮は粗く、レモン色で、瓤嚢(じょうのう)(袋)数は12~13個、果肉は柔らかく、青緑黄色で酸が多く、すこし苦い。イタリアで栽培が多く、カスタグナロ、フェミネロなどの品種が知られている。

 茎、葉、果皮にベルガモット油を含み、香料として重要である。また果実からはクエン酸がとれる。なお、ベルガモット油はライムにも含まれている。

[飯塚宗夫 2020年10月16日]

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百科事典マイペディア 「ベルガモット」の意味・わかりやすい解説

ベルガモット

イタリア原産の高さ4mに達するミカン科木本(もくほん)作物。主な生産地はイタリアのカラブリア地方,ほかにコートジボワール。果実は大きなミカンほどのサイズで球形。収穫は通常12月上旬〜3月下旬。ほぼ成熟した黄色の果実の果皮を圧搾してベルガモット油を得る。柑橘系の重要な香料として使われるが,その爽快な香りはどんな香料ともよく調和して最初に香るトップノートを形成する。オーデコロンの主成分として重要。食品のフレーバー素材としても使われる。

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栄養・生化学辞典 「ベルガモット」の解説

ベルガモット

 ムクロジ目ミカン科ミカン属[Citrus aurantium subsp. bergamia]の果実.果皮からとる精油を香料として用いる.

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世界大百科事典(旧版)内のベルガモットの言及

【オレンジ】より

…日本のダイダイ(橙)もこの中に含まれる。葉が極端に小さいマートルリーフオレンジmyrtle‐leaf orange,果実の形・色がライムに似たベルガモットオレンジbergamot orange,萼が肥厚したザ(座)ダイダイなどが含まれる。(3)マンダリンオレンジC.reticulata Blanco(英名mandarin orange) 通常,果皮が黄橙色のマンダリンと紅橙色のタンゼリンtangerine orangeに大別される。…

【ダイダイ(橙)】より

…ほかにブーケー,枝葉がギンバイカ(マートルmyrtle)ににて矮性(わいせい)で葉が小さく小果のマートルリーフオレンジ(別名シノット)などがある。近縁種に台湾の南庄(なんしよう)橙,インドのキチリー,イタリアのベルガモットなどがある。外国ではサワーオレンジの実生を台木にするが,トリステザウイルス病に弱いため近年はあまり使われない。…

※「ベルガモット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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