ホッチキス(英語表記)Benjamin Barkeley Hotchkiss

精選版 日本国語大辞典 「ホッチキス」の意味・読み・例文・類語

ホッチキス

〘名〙 (Hotchkiss)⸨ホチキス
① (発明者、アメリカのB=ホッチキスに由来する) 機関銃の一つ。火薬ガス圧を利用して遊底開閉・装てん・発射をするもの。
寄生木(1909)〈徳富蘆花〉下「機関砲はホチキス式で」
② 紙などをとじ合わせる器具。コの字形のとじ金を打ち込んでおさえる手動式の紙とじ器。商標名。英語では、ステープラー(stapler)という。〔訂正増補新らしい言葉字引(1919)〕
※羽なければ(1975)〈小田実二一コンパスからホッチキスから紙挟みから」

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デジタル大辞泉 「ホッチキス」の意味・読み・例文・類語

ホッチキス(Hotchkiss)

紙とじ器の一。取っ手を強く握ると、コの字形の針金が押し出されて紙がとじ合わされる。ホチキス。

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改訂新版 世界大百科事典 「ホッチキス」の意味・わかりやすい解説

ホッチキス
Benjamin Barkeley Hotchkiss
生没年:1826-85

アメリカの兵器発明家。コネティカット州ウォータータウンの生れ。機械商店で働き金物商を営むかたわら,兄のアンドリューとともに大砲弾丸改良南北戦争では他の武器製造業者よりはるかに多くの砲弾を供給し,多くの特許をも申請した。普仏戦争ではフランスに武器工場をつくり,フランス軍に武器を収める。またルフィール式連発機関砲の改良もした。1872年には,5本の砲身を共通軸のまわりに回転させ,弾薬の供給・発射を連続的に行う機関砲の特許をとる。完成した37mm機関砲は,毎分60発という速射性と高信頼性により,フランス海軍をはじめ各国海軍で採用され,のちに同形式の47mm,53mm機関砲なども作られ,広く使用された。75年には銃床弾倉をもつ連発式のライフル銃を完成し,翌年のフィラデルフィア博に出品した。82年ホッチキス社を組織,アメリカの本社のほか,イギリス,ドイツ,オーストリア,ロシア,イタリアにも支社を置いたが,同社の銃は高品質を誇り,ホッチキスは最も熟練した銃技師との名声を得た。なお彼の死後,ホッチキス社の開発した,銃身内のガス圧を利用し弾薬の供給・発射を自動化した機関銃は,世界で広く使われ,旧日本陸軍も1904-05年ころ保式機関銃として制式採用,日露戦争で使用した。
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ホッチキス

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百科事典マイペディア 「ホッチキス」の意味・わかりやすい解説

ホッチキス

米国の兵器発明家,企業家。カノン砲用砲弾など多くの弾丸,信管を発明,南北戦争に際しニューヨークに工場を建てた。普仏戦争では渡仏して在来の機関砲を改良,これを機に機関砲を研究,1873年毎分60発発射の本格的な5砲身機関砲を完成,名声を得た。
→関連項目ステープラー

ホッチキス

ステープラー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホッチキス」の意味・わかりやすい解説

ホッチキス
Hotchkiss, Benjamin Berkeley

[生]1826.10.1. コネティカット,ウォータータウン
[没]1885.2.14. パリ
アメリカの兵器発明家,製造家。普仏戦争中,フランス政府の依頼を受け,ルフィ式連発機関砲 (1869発明) の改良にあたった。戦後,小銃製造所を建設,機関砲の研究,開発に没頭。以後,ホッチキスは大規模に兵器製造事業を行い,各種の機関銃,砲を大量に製作した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホッチキス」の意味・わかりやすい解説

ホッチキス
ほっちきす

ステープラー

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世界大百科事典(旧版)内のホッチキスの言及

【ステープラー】より

…一般にホッチキスといわれる紙綴じ器の総称。機関銃の発明者,アメリカのB.ホッチキスが,弾丸送り装置にヒントを得て考案したとされる。…

【機関銃】より

…これは,連射機構の作動エネルギーを射手の筋肉によらず,発射薬から引き出した点で画期的であり,以後の兵器工業全般に多大な影響を及ぼした。やが.ホッチキス社は銃身内のガス圧を利用し,遊底を後退させる自動機構を開発した(図)。なお,このほかの作動方式として,薬莢底部にかかる発射ガス圧で直接遊底を後退させる吹戻し式がある。…

【ステープラー】より

…一般にホッチキスといわれる紙綴じ器の総称。機関銃の発明者,アメリカのB.ホッチキスが,弾丸送り装置にヒントを得て考案したとされる。…

※「ホッチキス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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