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ボルヘス ボルヘスBorges, Jorge Luis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ボルヘス
Borges, Jorge Luis

[生]1899.8.24. ブエノスアイレス
[没]1986.6.14. ジュネーブ
アルゼンチンの詩人,短編作家,批評家。ヨーロッパで教育を受け,1921年に帰国。『プリズマ』 Prisma誌,『プロア』 Proa誌,『マルティン・フィエロ』 Martín Fierro誌の創刊に協力して,ヨーロッパの前衛的な芸術運動の紹介に努め,いわゆる「22年の世代」を代表する存在となり,詩集『ブエノスアイレスの熱狂』 Fervor de Buenos Aires (1923) ,『サン・マルティン日誌』 Cuaderno San Martín (29) のほか,物語集『汚辱の世界史』 Historia universal de la infamia (35) を経て,『フィクション』 Ficciones (44) ,『アレフ』 El Aleph (49) にいたる作品群によって,ラテンアメリカ文学を代表する一人となった。多年図書館に勤務,ペロン政権下で一時不遇であったが,55年以後国立図書館長。 61年第1回フォルメントール賞受賞。作品はほかに詩文集『創造者』 El hacedor (60) ,『陰翳礼賛』 Elogio de la sombra (69) ,『虎たちの金色』 El oro de los tigres (72) ,『深遠のばら』 La rosa profunda (75) ,『鉄の貨幣』 La moneda de hierro (76) ,短編集『ブロディーの報告』 El informe de Brodie (70) ,『砂の本』 El libro de arena (75) など。 79,84年に来日。

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百科事典マイペディアの解説

ボルヘス

アルゼンチンの作家。1940年代以降の,いわゆる新しいラテン・アメリカ文学の先駆者にして代表的存在であるのみならず,20世紀世界文学の巨匠。しばしば〈迷宮の作家〉と称されるが,それは世界文学の伝統の継承を唱える彼が,書物を通しての時空超越の旅によって蓄積した驚嘆すべき学殖を駆使して造営する文学的〈迷宮〉ゆえである。
→関連項目コルタサルレイエス

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世界大百科事典 第2版の解説

ボルヘス【Jorge Luis Borges】

1899‐1986
アルゼンチンの小説家,詩人,評論家。イギリス系の血の混じる,教養の高い裕福な家庭の子としてブエノス・アイレスに生まれた。第1次大戦の始まった年から1920年代の初めにかけて,スイスあるいはスペインに滞在し,表現主義ウルトライスモ(超絶主義)などの当時の前衛的思潮に深く影響された。故国に帰ってから,《プロア》《マルティン・フィエロ》《スル》といった雑誌を中心に積極的な活動を開始し,《ブエノス・アイレスの熱狂》(1923),《正面の月》(1925),《サン・マルティンの手帖》(1929)など,古き良き首都への郷愁と形而上学的な不安とがないまぜになった詩集を発表した。

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大辞林 第三版の解説

ボルヘス【Jorge Luis Borges】

1899~1986) アルゼンチンの小説家・詩人・批評家。ヨーロッパ文化の中で育ち、訪欧中、前衛詩運動に触れて詩作を開始。形而上学的テーマを追究。博識と虚構性、普遍性が特徴。短編集「伝奇集」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ボルヘス
ぼるへす
Jorge Luis Borges
(1899―1986)

アルゼンチンの詩人、作家。ブエノスアイレスの裕福な家庭に生まれ、幼いころから父親の薫陶を受けてイギリスの文学書に親しむ。1914年、家族とともにヨーロッパに移住して勉学に励む一方、当時の前衛的芸術運動の洗礼を受ける。21年に帰国のあと、ブエノスアイレスの風物詩集『ブエノスアイレスの熱狂』(1923)、『サン・マルティンの手帖(てちょう)』(1929)などにより詩人として認められる。その後、散文に精力を注いだが、該博な知識と大胆な想像力とがみごとに融合し、作品には幻想的短編集『伝奇集』(1944)、『エル・アレフ(不死の人)』(1949)、また博引旁証(ぼうしょう)の評論集『論議』(1932)、『永遠の歴史』(1936)、『続審問』(1952)などがある。「世界史とはいくつかの隠喩(いんゆ)の歴史である」という作者のことばからもうかがえるように、有限のなかに無限と反復の観念を持ち込み、独自の文学的宇宙を築き上げる。その後も詩文集『創造者』(1960)、詩集『他者と自身』(1967)、『幽冥礼讃(ゆうめいらいさん)』(1969)、『群虎黄金』(1972)、短編集『ブロディーの報告書』(1970)、『砂の本』(1975)、あるいは『ボルヘス講演集』(1979)、評論集『七夜』(1980)などの著作を発表している。[木村榮一]
『中村健二訳『悪党列伝』(1976・晶文社) ▽中村健二訳『異端審問』(1982・晶文社) ▽柳瀬尚紀訳『幻獣辞典』(1974・晶文社) ▽渋澤龍彦他著『ボルヘスを読む』(1980・国書刊行会) ▽篠田一士訳『ラテンアメリカの文学1 伝奇集』(1983・集英社)』

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世界大百科事典内のボルヘスの言及

【ラテン・アメリカ文学】より

…だが1916年にダリオの死後,モデルニスモは文体や言語の刷新が飽和点に達し,貴族趣味に走るとともに,第1次世界大戦後ヨーロッパから到来した前衛詩に押されて,衰退の一途をたどることになった。 20年代以降は,詩の分野ではルイス・ボルヘス,パブロ・ネルーダ,セサル・バリェホ,ニコラス・ギリェンらによって代表される前衛詩,社会詩が主流になり,多くのすぐれた作品が生まれた。また散文の分野でも,1910年のメキシコ革命の影響を受けて,ラテン・アメリカの土着性を再認識する動きがみられ,〈メキシコ革命文学〉〈大地小説〉〈ガウチョ文学〉(ガウチョ),〈インディヘニスモ文学〉(インディヘニスモ),〈アフロ・アメリカ文学〉などの,写実主義的な土着文学が相次いで誕生した。…

※「ボルヘス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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