永劫回帰(読み)エイゴウカイキ

  • えいごうかいき エイゴフクヮイキ
  • えいごうかいき〔エイゴフクワイキ〕
  • 永×劫回帰
  • 永劫回帰 ewige Wiederkunft

百科事典マイペディアの解説

ニーチェの用語。ewige Wiederkunftないしewige Wiederkehr des Gleichenの訳で,〈永遠回帰〉とも。無限の時間の中での有限な〈力への意志〉の戯れ,すなわち〈永劫回帰〉を存在全体の根本性格とするニーチェは,この思想に1881年に襲われ,のちに《ツァラトゥストラ》を書く。なお,M.エリアーデは,祖型への回帰と神話的時間の循環を,この語を用いて論じている(《永遠回帰の神話》)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ニーチェ最晩年の思想を表すものとして有名な用語。〈永遠回帰〉とも言う。ニーチェはヨーロッパが依拠してきたいっさいのものを――主体や意識や理性という概念も,科学や宗教民主主義も――生の実相から離れた虚偽であると看破した。これらの背後にあるプラトン主義キリスト教も実はニヒリズム発現でしかないとする彼にとって,唯一の実在は,生成の全体としての自然であり,生の唯一の原理は〈力への意志〉となる。近代的な理性の歴史とその進歩信仰は単なる幕間劇としてその意義を失い,存在の全体の根本性格は無限の時間の中での有限な〈力への意志〉の戯れ,つまり永劫回帰であると彼は言う。

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大辞林 第三版の解説

ニーチェの根本思想。あらゆる存在は意味も目標もなく、永劫に繰り返されるが、この円環運動をあえて生きる決意をする者は生の絶対的肯定に転じることになる。永遠回帰。

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世界大百科事典内の永劫回帰の言及

【ニーチェ】より

…《華やぐ知慧》には批判的解体に伴うペシミズムから新たな晴朗さへの回復がはっきりと認められる。この時期の81年,ニーチェはスイス・アルプスのシルバプラナ湖畔で永劫回帰の覚知に達し,いっさいが〈力への意志〉である以上,宇宙と歴史の変動は永遠に自己回帰を続ける瞬間からなっているとの思想を得ている。
[《ツァラトゥストラ》とそれ以後]
 翌1882年にはザロメとの不幸な恋愛があったが,翌年初頭,ジェノバ郊外のポルトフィノで《ツァラトゥストラ》の着想を抱き,彼の言によれば,“嵐のような”筆の運びでまたたくまに第1部が完成した。…

※「永劫回帰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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