ポストモダン(読み)ぽすともだん(英語表記)postmodern

翻訳|postmodern

知恵蔵の解説

ポストモダン

現代という時代を、近代が終わった「後」の時代として特徴づけようとする言葉。各人がそれぞれの趣味を生き、人々に共通する大きな価値観が消失してしまった現代的状況を指す。現代フランスの哲学者リオタールが著書のなかで用いて、広く知られるようになった。リオタールによれば、近代においては「人間性と社会とは、理性と学問によって、真理と正義へ向かって進歩していく」「自由がますます広がり、人々は解放されていく」といった「歴史の大きな物語」が信じられていたが、情報が世界規模で流通し人々の価値観も多様化した現在、そのような一方向への歴史の進歩を信ずる者はいなくなった、とされる(『ポスト・モダンの条件』1979年)。また、ポストモダンという言葉は、ポスト構造主義の思想傾向を指す言葉としても用いられ、その際はポスト構造主義とほぼ同義である。唯一の真理をどこかに求めようとする思考を徹底的に批判しようとしたデリダ、近代は自由を求め拡大したのではなく、むしろ人々の内面と身体を管理する技術を発達させたと述べたフーコーなどは、共に、近代的な物語を解体しようとした思想家として見られるからである。

(西研 哲学者 / 2007年)

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大辞林 第三版の解説

ポストモダン【postmodern】

主体・進歩主義・人間解放などといった啓蒙の理念に支えられた近代主義の原理を批判し、脱近代をめざす思想的潮流。建築の領域から流入した概念。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ポスト‐モダン

〘名〙 (post-modern)
① 機能主義と合理主義に基づく近代建築(モダニズム)に対して、異質な要素を寄せ集めたり偶然性を重んじたりする建築様式。一九七〇年代後半、イギリスの建築評論家チャールズ=ジェンクスによって提唱された。ポストモダニズム。
② 理性による啓蒙を基とする近代的な社会、制度、思想等の一元的な原理を批判し、消費社会や情報社会に対応した知や実践のあり方を模索する思想的・文化的な傾向。哲学的概念としてはフランスの哲学者ジャン=フランソワ=リオタールによって提示された。

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