ポリュカルポス(その他表記)Polykarpos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリュカルポス」の意味・わかりやすい解説

ポリュカルポス
Polykarpos

小アジアスミルナ司教。2世紀に活躍し,教会著述家のなかで最も古い世代に属する使徒教父聖人。使徒ヨハネに師事し,彼によってスミルナの司教に据えられたといわれる。エイレナイオスの師とされる。イグナチオス交友。現存する唯一の書簡はピリピ人宛のもので,背教的傾向の増大に対する警告である。復活祭論争に際してローマを訪れて古いアジアの伝統の擁護に努めるなど,小アジアにおいて指導的役割を果たした。86歳で殉教。死の直後につくられた『ポリュカルポス殉教録』は最も早い時期に知られた,キリスト教の貴重な資料。

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改訂新版 世界大百科事典 「ポリュカルポス」の意味・わかりやすい解説

ポリュカルポス
Polykarpos
生没年:70ころ-156ころ

小アジアのスミュルナ主教(110ころ-156ころ)。彼の弟子エイレナイオスやテルトゥリアヌスによれば,彼は使徒ヨハネから教えを受けたといわれる。教皇アナクレトゥスのときローマを訪ね,多く異端者カトリック教会に改宗させた。彼は復活日をニサンの月(太陽暦の3~4月)の14日に祝うべきだという14日主義の主唱者で,この問題については教皇と意見を異にした。スミュルナで殉教。
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世界大百科事典(旧版)内のポリュカルポスの言及

【聖人伝】より

…キリスト教の聖人や殉教者の伝記,事績を記した書物の総称。カトリック教会では厳密には聖人伝Vita sanctorum,Liber legendariusと殉教者伝Liber passionariusは区別されるが,《使徒行伝》中のステパノの殉教の次に古いスミュルナの司教ポリュカルポスの殉教1周年祭の記録(156)以来,殉教者,聖人の生涯を語り命日を祝う風習があった。各日にその日が命日である聖人を祝うためにメロギオンと呼ばれる殉教者録や,メナイオンと呼ばれる日付順の聖人の略伝集も古代から作られている。…

【ポリュカルポスの手紙】より

使徒教父に含まれる一文書。スミュルナの主教ポリュカルポスの手紙。数多くの中で現存のものは,《ピリピ人への手紙》のみ。…

※「ポリュカルポス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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