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マクリントック McClintock, Barbara

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マクリントック
McClintock, Barbara

[生]1902.6.16. アメリカ,コネティカットハートフォード
[没]1992.9.2. アメリカ,ニューヨーク,ハンティントン
アメリカの遺伝学者。コーネル大学で植物遺伝学を専攻し,1927年に博士号を取得。同大学で講師をつとめ,のちワシントン D.C.のカーネギー研究所に転じる。同研究所コールドスプリングハーバー研究所で 40年以上研究を続けた。トウモロコシの実に現れる斑点の研究で,斑点の出現,消失がトウモロコシの染色体内を動く遺伝子によって支配されていることを明らかにした。この動く遺伝子 (トランスポゾン ) の概念は,当時はなかなか認められなかったが,遺伝学上画期的な発見だった。 83年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

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大辞林 第三版の解説

マクリントック【Barbara McClintock】

1902~1992) アメリカの遺伝学者。トウモロコシの実に生じる斑入り現象の細胞遺伝学的研究から調節因子の存在を明らかにし、それが他の染色体へ移ることがあるという「動く遺伝子」の概念を提唱。プラスミドなど可動遺伝要素が発見されるに及んで、その先見性が認められた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マクリントック
まくりんとっく
Barbara McClintock
(1902―1992)

アメリカの遺伝学者。医者の三女として、コネティカット州ハートフォードに生まれる。コーネル大学農学部で遺伝学を学び、1923年に卒業、大学院に進学し、1927年に博士号を取得した。同大学の植物学専任講師、カリフォルニア工科大学、ドイツのカイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)の研究員を経て、1934年にコーネル大学で助手となった。1936年ミズーリ大学の助教に就任したが、1941年退職、翌1942年カーネギー・ワシントン研究所コールド・スプリング・ハーバー支所の研究員、1967年同研究所の名誉研究員となり、死ぬまでコールド・スプリング・ハーバーで研究を続けた。
 長年にわたりトウモロコシの遺伝について研究したが、初期の研究では、トウモロコシ染色体を顕微鏡で観察し、表現型(外に現れた形質の特徴)と染色体の形態の相互関係を詳しく調べあげている。さらに、夏に交配実験を行い、冬にその実験結果の分析をするという研究を繰り返した結果、「動く遺伝子(トランスポゾン)」の存在に気づいた。そして、この遺伝子は染色体上を移動し、その際に他の遺伝子を活性化したり、抑制したりする調節機能をもつことを明らかにした。しかし、この研究は発表時にはほとんど無視された。やがて、バクテリアでも「動く遺伝子」が発見されて証明され、今日では遺伝子工学の分野で利用されている。1983年「動く遺伝子」の発見によってノーベル医学生理学賞を受賞したが、植物の研究によってこの賞を獲得するのは、きわめて珍しいことである。[編集部]
『エブリン・フォックス・ケラー著、石館三枝子・石館康平訳『動く遺伝子――トウモロコシとノーベル賞』(1987・晶文社) ▽シャロン・バーチュ・マグレイン著、中村桂子監訳『お母さん、ノーベル賞をもらう――科学を愛した14人の素敵な生き方』(1996・工作舎)』

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