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細胞遺伝学 さいぼういでんがくcytogenetics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

細胞遺伝学
さいぼういでんがく
cytogenetics

細胞学によって研究された事実,たとえば細胞分裂時の染色体の行動,倍数性,異数性などと遺伝の法則との比較を行い,遺伝現象の機構を研究する科学。これによりメンデルの法則と染色体の行動とが並行していることが認められ,性決定の機構なども明らかにされてきた。現在,分子生物学生化学の進歩に伴い,細胞での遺伝現象や遺伝子の機能を,分子レベルで追究する分子細胞遺伝学が発展している。

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デジタル大辞泉の解説

さいぼう‐いでんがく〔サイバウヰデンガク〕【細胞遺伝学】

染色体構造や数の変化などと遺伝形質との関連性から遺伝の機構を研究する学問

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大辞林 第三版の解説

さいぼういでんがく【細胞遺伝学】

遺伝学の一分野。染色体の形態・構造・数・行動やその変異を中心に、細胞内の種々の構造物と遺伝との関係を解析する学問。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

細胞遺伝学
さいぼういでんがく
cytogenetics

細胞の構造および機能を基礎として遺伝現象を解明しようとする遺伝学の一分野。細胞学と遺伝学とは本来独立して発達した学問である。前者の主要な研究対象となった染色体の減数分裂時における分離の行動と、後者の主要な研究対象となった遺伝子の分離の行動とが並行しておこっていることから、遺伝子が染色体上に配列していることが明らかとなり、両学問分野が結合して発展した。とくに遺伝子が染色体上に一定の順序で配列していること、および染色体に乗換え(交叉(こうさ))現象のあることなどから、1個の染色体上にある遺伝子は一つの塊として行動する、すなわち連関群(リンケージ)として行動することが判明し、細胞遺伝学は急速に発展した。ショウジョウバエにおける巨大な唾腺(だせん)染色体の発見およびリンケージの研究は、この方面の学問に拍車をかけた。
 生物の染色体構成すなわち核型は種によって一定で、各生物種の核型を明らかにする核型分析、生物の生活機能を営むうえで必要な遺伝子を含む1組の染色体であるゲノムの構成を明らかにするゲノム分析などもこの学問分野である。核型およびゲノム分析などにより近縁種の遺伝的な構成、その起源および相互関係を知ることができる。また、染色体異常と形質発現との関係は動植物および人類遺伝の研究上重要である。
 最近、細胞の体外培養技術が発展し、さらに細胞融合や染色体の取り込みなどの新しい細胞遺伝学的な技術が開発され、実験細胞遺伝学の研究が発展した。また分子遺伝学の発展により染色体の分子構造の研究が急速に進み、さらに遺伝子作用の調節機構を、染色体の分子構造の面から解明しようとする分子細胞遺伝学の分野が発展し、この方面の研究も活発に進められている。[吉田俊秀]

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世界大百科事典内の細胞遺伝学の言及

【遺伝学】より

…現在では,肉眼的から電子顕微鏡的なものまでを含む形態的形質,物理的・化学的・生物的要因に対する反応性,妊・稔性や生産力を含む生理・生殖的形質,色素・同位酵素・タンパク質分画などの生化学的形質,さらには心理的・行動的形質までが研究対象となっている。
[細胞遺伝学cytogenetics]
 メンデルが遺伝の法則を発見したころからそれが再発見されるまでの19世紀最後の四半世紀は,細胞学がメンデルの法則,したがって遺伝学そのものを生物学へ受け入れるための準備をした期間である。この間,受精において卵と精子の核が合体すること,細胞分裂において染色体が縦裂し,その半分ずつが娘細胞に分かれて入ること,卵と精子から同数の染色体が接合体にもち込まれることなどが知られてきた。…

【細胞学】より

… また,細胞分裂による遺伝形質の伝達についての知見,とくに生殖受精における核の行動の観察はA.ワイズマンによる生殖質連続説(1883年提唱されたもので,生殖細胞に含まれる生殖にかかわる要素が個体発生と受精を通じて次代へと連続して受けつがれるという説),さらに進化について獲得形質の遺伝を否定する進化論への道を開いた。 メンデルの法則が1900年に再発見され,20世紀に入って,09年にW.L.ヨハンセンがメンデルの各遺伝形質を規定する因子をgeneとよぶことを提案,11年にT.H.モーガン一派が遺伝子が染色体上に線状配列すると指摘するなど,遺伝子の基本的概念が生まれ,細胞遺伝学へと発展していく。 細胞の構成物質については,化学的または物理化学的な分析を行い,生命物質を明らかにしようとする新しい生物学の分野が,分析技術の開発とともに著しく進歩した。…

※「細胞遺伝学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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