翻訳|Majorca
ヨーロッパの地中海西部、スペイン領バレアレス諸島の主島。「マジョルカ」は英語読みで、現地のカタルーニャ語読みでは「マヨルカ」となる。また、スペイン(カスティーリャ)語名はマリョルカ島Mallorca。面積3640平方キロメートル。同諸島中最大で、名称は「大きな島」の意。諸島の総人口84万1669のうち、67万6516人(2001)がこの島に住む。中心都市は南西岸のパルマで、バレアレス県の県都となっている。イベリア半島のペニ・ベティカ山脈の延長にあたり、島の西側と東側にそれぞれ北東―南西方向の山地が連なる。西側のアルファビア山脈には島の最高峰プイグ・マヨールPuig Mayor山(1445メートル)がそびえる。東側は北東端のモレイ山(562メートル)が最高点で、全体的に低く、鍾乳洞(しょうにゅうどう)が多い。両山地の間は広い平野で、野菜、穀類、オリーブ、アーモンド、イチジク栽培などの農業が行われている。地中海性の温暖な気候で、年降水量は400~500ミリメートルであるが、西側の山脈は1200~1400ミリメートルと多く、森林に覆われている。有史前から居住がみられ、各民族が植民、パルマはローマ人が建設した(前122)。海賊の根拠地(9~13世紀)、マジョルカ王国(1262建設)を経て、アラゴン王国に合併された(1343)。島の北西部の小高い丘にある村バルデモサValldemosa(人口1708、2001)は、音楽家ショパンがジョルジュ・サンドとともに転地療養のために過ごした所として有名。島は1960年ごろから急速に観光開発され、北欧やドイツからの客で観光業が島の第1位の産業となっている。なお、マジョリカ陶器は、当地の商人が中世末にスペインからイタリアへ輸出した陶器に由来するイタリア製陶器で当地の産ではない。
[田辺 裕・滝沢由美子]
西地中海のバレアレス諸島第1の島。1229年アラゴン連合王国王ハイメ1世が再征服し,カタルニャ人が入植。1276年からルシヨンなど現在のフランス側カタルニャとともにマジョルカ王国を形成し,ハイメ1世の第2子の家系がこれを継承したが,1343年にアラゴン連合王国に統合。18世紀初頭にはそれまで保持してきた地方特別法を失った。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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