改訂新版 世界大百科事典 「マンゴルト」の意味・わかりやすい解説
マンゴルト
Otto Mangold
生没年:1891-1962
ドイツの発生学者。フライブルク大学でH.シュペーマンに学ぶ。同大学講師,ベルリン大学講師,助教授,カイザー・ウィルヘルム協会の研究所員を経てエルランゲン大学教授,フライブルク大学教授,学長を歴任。両生類を用い広く実験発生学的研究を行った。そして,2個の初期胚を融合させると巨大胚が得られることや,神経板は別の胚に移植すると神経板を誘導すること(同型誘導)を見いだし,原腸胚各部域の発生能を明らかにした。主著に《発生生理学への道--ハンス・シュペーマンの生涯と業績》(1953)がある。彼の妻ヒルデHilde Mangold(1901?-24)はシュペーマンとともに形成体による誘導現象を発見した(1924)が,その年火傷により死去した。
執筆者:溝口 元
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報