ミズナ(読み)みずな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズナ」の意味・わかりやすい解説

ミズナ
みずな

イラクサ科(APG分類:イラクサ科)の多年草であるアオミズウワバミソウミズ(ともに単にミズとよぶことがある)の別名であるとともに、アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の越年草であるキョウナの別名。

[編集部 2019年12月13日]

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百科事典マイペディア 「ミズナ」の意味・わかりやすい解説

ミズナ

キョウナとも。アブラナ科の一〜二年生野菜。名は京都付近の水田で栽培されたことによる。葉は葉柄があって数十本束生し,濃緑色で細長く,深い切れ込みがある。2〜3月ごろ収穫し,漬物,汁の実などにする。ミブナ(壬生菜)はこれの変種で,葉には切れ込みがなく関西地方で栽培される。山菜ウワバミソウの地方名にもミズナがある。
→関連項目壬生

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改訂新版 世界大百科事典 「ミズナ」の意味・わかりやすい解説

ミズナ

各地でミズナと呼ばれる植物はいくつか知られているが,代表的なものにイラクサ科のウワバミソウ,アブラナ科のキョウナがあり,シダ植物スギナもミズナとよばれる。
ウワバミソウ →キョウナ

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栄養・生化学辞典 「ミズナ」の解説

ミズナ

 [Brassica nipposinica var. lacinifolia],[B. campestris (japonica group)].キョウナともいう.フウチョウソウ目アブラナ科アブラナ属の野菜.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のミズナの言及

【ウワバミソウ】より

…渓流沿いの湿った場所に群生するイラクサ科のやわらかい多年草(イラスト)。和名はヘビのいそうな場所を好んで生えるという意味であり,別名ミズナは茎がやわらかで水分が多いことにちなむ。茎は斜上し30~40cm。…

【キョウナ(京菜)】より

…アブラナ科の種としてはアブラナに所属する一~二年草。別名をミズナ(水菜),センスジナ(千筋菜),センボンナ(千本菜),イトナ(糸菜),ヒイラギナなどともいう。京都付近で古くから栽培されており,ミズナと呼ばれていたが,のち各地に伝わって分化し,関東ではキョウナと呼ばれている。…

【漬菜】より

…そのような両用の利用から油料専用の作物としてアブラナ(ナタネ)が育成される一方,野菜専用の作物として多数のアブラナ類の品種群が東アジアで選択されてきた。それらはカブやハクサイ類,さらにはカブに近縁なハカブラ(ノザワナ(イラスト)),ヒノナ(イラスト),スグキナ,コマツナ(イラスト)などと,アブラナに近縁なハタケナ,マナなど,あるいは独特の形態と特性をもつミズナ(キョウナ(イラスト)),タイサイ(シャクシナ)などである。 このように漬菜の起源にはアブラナ(ナタネ)が密接な関係をもつが,アジアでその分化がみられるところから,シンスカヤE.N.Sinskaja(1928)はアジアを原産地域としている。…

※「ミズナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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