ミンコフ(英語表記)Svetoslav Konstantinov Minkov

改訂新版 世界大百科事典 「ミンコフ」の意味・わかりやすい解説

ミンコフ
Svetoslav Konstantinov Minkov
生没年:1902-66

ブルガリア作家資本主義社会の人間の運命を,グロテスクな,SF的な手法で描いた風刺作家。《レントゲンの目を持った婦人》(1934)などの短編集のほか,《別のアメリカ》(1938),《飢餓の帝国》(1952)など資本主義現実を暴いたルポルタージュや,アンデルセン童話訳者としても知られている。第2次大戦中,在日ブルガリア公使館に勤務し,日本文学に関する著書もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミンコフ」の意味・わかりやすい解説

ミンコフ
みんこふ
Светослав Минков/Svetoslav Minkov
(1902―1966)

ブルガリアの作家。軍人の家に生まれ、軍事学校に入るが、のちソフィア大学言語学科に学び、ドイツに留学した。世界各国を回り、日本にも1943年から1年間ブルガリア代表部の一員として滞在した。帰国後は新聞、雑誌の編集長を務めた。最初の短編集は『青い菊』(1922)。風変わりな人物なかに風刺とユーモアを潜ませ読者をひきつけていく作品が多い。映画のシナリオや児童向きの作品も書き、またロシア語でも短編、評論を発表する一方アンデルセン、『千夜一夜物語』ほか翻訳も多い。

[真木三三子]

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