ムスコン

精選版 日本国語大辞典 「ムスコン」の意味・読み・例文・類語

ムスコン

〘名〙 (Muskon muscone) 麝香(じゃこう)香気成分化学式は C16H30O 無色液体。人工的にも合成可能。

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化学辞典 第2版 「ムスコン」の解説

ムスコン
ムスコン
muscone

3-methylcyclopentadecanone.C16H30O(238.42).中央アジア,とくにヒマラヤの山岳地方に生息するジャコウジカの雌の生殖分泌腺から分泌されるムスク(musk)の香気成分.十五員環ケトンで光学活性融点33 ℃,沸点328 ℃,138 ℃(66 Pa).-13°.0.9221.1.4802.保香性がよく,香料に用いられる.合成品もある.LD50 5000 mg/kg(ラット経口).[CAS 541-91-3]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムスコン」の意味・わかりやすい解説

ムスコン
むすこん
muscone

じゃ香の香気をもつ無色で粘性のある油状液体。天然じゃ香の香気の本体として0.5~2%含まれる。アルコールに溶けるが、水には難溶。調合香料製造に際して香料の保留力が著しく、高級香料の変調剤、保留剤として使われる。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムスコン」の意味・わかりやすい解説

ムスコン
muscone

油状の液体。ジャコウジカの雄のじゃ香腺より分泌されるじゃ香成分。沸点 328℃,左旋性。香料原料として用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のムスコンの言及

【麝香】より

…水,アルコールに易溶で,アルコールチンキにしても使用される。芳香成分はムスコンmusconeで,麝香中に0.5~2%含有される。ムスコンは化学式C16H30O,大環状ケトン構造をもつ。…

※「ムスコン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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