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メントール menthol

翻訳|menthol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メントール
menthol

化学式 C10H20O 。モノテルペンアルコールの一種。多くの異性体があり,L体,DL体は薬局方に収載されている。 (1) L体 ハッカの葉や茎を水蒸気蒸留して得られる精油。はっか油の主成分で,はっか脳ともいわれる。さわやかで特異な香りがする無色針状晶。融点 43℃。エチルアルコールエーテルクロロホルムに易溶,水にやや溶けにくい。感覚神経末梢を刺激して冷感を起し,次いで感覚を麻痺させる作用をするため,皮膚 瘙痒,神経痛などに1~2%エチルアルコール溶液として外用される。また内服すると,胃粘膜を軽く刺激し,あるいはその芳香,清涼味により反射的に消化管の運動,分泌,吸収などの機能を亢進させる。やや多い量では,胃粘膜を鈍麻させて鎮痛,制吐作用を示す。異常発酵,胃痛,嘔吐などの際には内服される。医薬品以外に,食品,飲料,たばこ,香料品,嗜好品などにも広く使用されている。 (2) DL体 チモールの還元によって得られる。L体に比し,結晶は一般に小さい。融点 35~36℃。清涼剤,反射刺激剤,鎮痛,鎮痒剤に用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

メントール

ハッカ油,ハッカ脳の主成分で分子式C1(/0)H2(/0)O。さわやかな香りと味のある昇華性の結晶。融点41.6℃,沸点216℃。水に難溶,有機溶媒,濃塩酸に易溶。
→関連項目香料テルペンハッカ(薄荷)ハッカ(薄荷)油

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栄養・生化学辞典の解説

メントール

 C10H20O (mw156.27).

 香料として使われる化合物.ハッカの油からとるほか,合成品もある.

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世界大百科事典 第2版の解説

メントール【menthol】

ハッカの葉に含まれる精油の主成分で,いわゆるハッカの芳香成分。ペパーミント様の清涼感のある香気を有する。ニホンハッカの場合はハッカ油の70~90%がメントールである。メントールは化学式C10H20Oの単環式モノテルペンアルコールで,3個の不斉炭素をもつため四つの立体異性体を有し,それぞれが光学活性体をもつため,ラセミ体を含めて12の異性体が存在する。芳香成分として重要なのは天然に産するl‐メントールで,ハッカ脳ともいう。

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大辞林 第三版の解説

メントール【Menthol】

テルペン系のアルコールの一。化学式 C10H20O 無色の結晶で芳香がある。香料、医薬などに用い、ハッカ油から得られる天然品は薄荷脳はつかのうという。メンソール。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メントール
めんとーる
menthol

単環性モノテルペンアルコールの代表的なもの。一般に、メントールといえば、はっか油から得られるl-メントール(はっか脳)をさすが、化学的には12個ある異性体の総称である。ハッカ特有の冷涼な香味を有しているのは天然および合成のl-メントールとd-メントールで他の異性体は冷涼な香味を有していない。天然はっか脳と合成のl-メントールは化学的には同一で、無色の針状結晶である。日本産和種はっか油はl-メントールの供給源として世界のハッカ需要をまかなっていたが、現在はブラジルおよび中国産はっか脳と日本、ドイツ、アメリカで生産される合成品が市場を支配している。
 l-メントールの代表的製法は次の3種類である。
(1)d-シトロネラールからの製法 シトロネラ油の分留で得られるd-シトロネラールにルイス酸を加えて加熱すると環化してイソプレゴールとなる。これに溶剤を加えて深冷分離すると純粋なl-イソプレゴールの結晶が収率よく得られる。これをニッケル触媒を用いて高圧水添すると、純粋なl-メントールが収率よく得られる。
(2)チモールからの製法 チモールの接触水添によりd、l-メントールとし、異性体分離、光学分割を行い、純粋なl-メントールとする。
(3)不斉合成法 ミルセンにリチウムとジエチルアミンを反応させると、ジエチルゲラニルアミンができる。これを(S)-BINAP-Ru錯体触媒を用いて不斉異性化反応を行うとシトロネラールエナミンを生じ、これを加水分解して純粋のd-シトロネラールとする。これを臭化亜鉛で閉環し、l-イソプレゴールに導き、水素添加によってl-メントールを製造する。l-メントールは医薬品(貼(は)り薬、軟膏(なんこう)、エアゾール)、タバコ、歯磨剤、育毛剤、チューインガム、キャンディー、アイスクリーム、飲料、化粧品などに用いられる。[佐藤菊正]

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世界大百科事典内のメントールの言及

【局所麻酔薬】より

…これらコカインおよびコカイン代用薬が狭義の局所麻酔薬であり,真性局所麻酔薬とも呼ばれるが,次のようなものも広義には局所麻酔薬に含まれる。すなわち,(1)エーテル,クロロホルムなど本来は全身麻酔薬であるが局所麻酔作用を有するもの,(2)疼痛性麻酔薬 石炭酸(フェノール),メントール,キニーネなど局所に投与すると,初めは知覚神経刺激による疼痛を生ずるが,後に麻痺を起こすもの,(3)寒冷麻酔薬 沸点の低いエーテル,クロロホルム,クロルメチルなど気化熱を奪うことによって局部凍結をきたし知覚を鈍化させるもの,などである。麻酔【福田 英臣】。…

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