翻訳|thymol
1-メチル-3ヒドロキシ-4-イソプロピルベンゼン(2-イソプロピル-5-メチルフェノール)をさす。特有の芳香をもつ無色の結晶で,融点51.5℃,沸点232.5℃。シソ科の植物タイムThymus vulgarisから得られるタイム油(タチジャコウソウ油),セリ科の植物アジョワンCarum ajowanから得られるアジョワン油の主成分である。エチルアルコール,エーテル,酢酸,クロロホルム,ベンゼンなどによく溶ける。還元するとメントールに,酸化するとチモキノール(2,5-ジヒドロキシ-p-シメン)になる。
防腐剤,殺菌剤,駆虫剤,合成メントールの原料として用いられるほかにも,分析用試薬としても使用される。チタンはチモールの濃硫酸溶液と反応して濃赤色または赤黄色,塩化アンチモンのクロロホルム溶液はチモールで黄褐色ないし赤褐色に,ヒ酸ナトリウムはチモールおよび濃硫酸と加熱すると赤,淡赤,紫色を経て黒紫色になるので,それぞれそれら金属の検出に用いられる。このほか,亜硝酸イオン,硝酸イオン,硫酸イオンのような陰イオンの検出,定量に用いることができる。
執筆者:岡崎 廉治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
5-methyl-2-(1-methylethyl)phenol.C10H14O(150.2).精油成分の一つ.チミアン油やアヨワン油などに含まれる.無色透明の結晶で,特有の芳香がある.融点50~51.5 ℃,沸点233 ℃.0.976.1.5226.エタノール,エーテル,クロロホルム,ベンゼンなどに可溶,水に微溶.練り歯磨き,化粧品などに用いられる.[CAS 89-83-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…おしべは2本が完全に熟し,他の2本は退化してごく短い。チモールthymolなどの精油を含み,全草を陰干しにし,煎じて駆虫薬に用いる。日本全土と朝鮮半島南部に分布する。…
…おしべは2本が完全に熟し,他の2本は退化してごく短い。チモールthymolなどの精油を含み,全草を陰干しにし,煎じて駆虫薬に用いる。日本全土と朝鮮半島南部に分布する。…
※「チモール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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