ヤドリギ科(読み)やどりぎか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤドリギ科」の意味・わかりやすい解説

ヤドリギ科
やどりぎか
[学] Loranthaceae

双子葉植物、離弁花類宿主の幹に寄生する半寄生の常緑低木。葉は厚い革質で鋸歯(きょし)はなく、ときに鱗片(りんぺん)状。花は両性または単性、花床が隆起して基部を包んで萼筒(がくとう)状となり、その縁(へり)に53~56枚の花被片(かひへん)がつく。雄しべは花被片と同数で、それと対生の位置につく。子房は下位。果実は液質の萼状筒に包まれて液果状で、外果皮の内面に粘膜があり、ここから出る粘液で果実を宿主の幹に付着させる。熱帯から温帯に36属約1300種あり、日本にはヤドリギヒノキバヤドリギなどが分布する。

[山崎 敬 2021年2月17日]

 植物の分類系であるエングラー体系でヤドリギ科Loranthaceaeとされていたが、クロンキスト体系ではヤドリギ、ヒノキバヤドリギはヤドリギ科Viscaceaeに分けられ、Loranthaceaeはオオバヤドリギ科として、マツグミやオオバヤドリギを含む科とされた。APG分類ではヤドリギ科はビャクダン科に統合されて消滅し、残ったオオバヤドリギ科は世界に約77属950種があり、日本には2属4種が分布する。

[編集部 2021年2月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤドリギ科」の意味・わかりやすい解説

ヤドリギ科
ヤドリギか
Loranthaceae

双子葉植物ビャクダン目の1科。新旧両大陸の熱帯から温帯にかけて広く分布し,30~50属約 1300種がある。いずれもほかの樹木に寄生しながら,みずからも緑葉をもって光合成を行う半寄生植物である。花は両性または単性で,通常は2,3花が固まって包に抱かれ,属によっては穂状花序となる。個々の花には小さな花被片が数片あり,緑色で目立たないものが多いが,ときに赤色,橙色などのものもある。おしべは花被片と同数で,それに向き合ってつく。果実は球形液果状,または核果になるものが多い。南半球の属 (PhrygilanthusPsittacanthusなど) には花の美しいものもある。

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