日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ユナイテッド・アーティスツ
ゆないてっどあーてぃすつ
United Artists
アメリカの映画会社。1919年に、チャールズ・チャップリン、ダグラス・フェアバンクス、メアリー・ピックフォード、D・W・グリフィスにより、それぞれの作品を配給する組織として設立された。経費節約のため、製作は必要に応じて撮影所を借りる方法で運営された。しかし創立者4人の製作作品が想定した数を下回ったため、上映劇場の確保に苦慮。1920年代後半以降は、サミュエル・ゴールドウィン、アレグザンダー・コルダ、デビッド・O・セルズニックらのプロデュース作品を配給した。第二次世界大戦後は、独立のプロデューサーたちと提携し、1950年代なかばから1960年代にかけ、『マーティ』（1955）、『アパートの鍵貸します』（1960）、『ウェスト・サイド物語』（1961）などでアカデミー作品賞を受賞するなど、話題作を数多く製作した。1956年、創立者として残っていたチャップリンとピックフォードが株式を売却し、翌年、株式が一般公開された。1967年のコングロマリットのトランザメリカによる買収後も、1970年代に『カッコーの巣の上で』（1975）、『ロッキー』（1976）、『アニー・ホール』（1977）と、3年連続でアカデミー作品賞を生み出すなど順調だったが、『天国の門』（1980）の興行的大失敗から1981年、MGMに売却された。以後、MGM自体の経営の不安定さのために、ほとんど名のみの存在といえる状況が続いている。
［濱口幸一］
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