日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴールドウィン」の意味・わかりやすい解説
ゴールドウィン
ごーるどうぃん
Samuel Goldwyn
(1879―1974)
1920年代から1950年代にかけてハリウッドを牽引(けんいん)した映画製作者の一人。本名シュムエル・ゲルブフィッツSchmuel Gelbfisz。ワルシャワ生まれ。13歳のときアメリカに渡る。1913年、義弟のジェシー・L・ラスキーJesse Louis Lasky(1880―1958)とともに映画製作の道に入り、1923年、サミュエル・ゴールドウィン・プロダクションを創設。質の高さを求めて一本一本を手塩にかける独自の映画作りに着手する。ロナルド・コールマン、ゲーリー・クーパー、マール・オベロンMerle Oberon(1911―1979)ら彼のもとから巣立っていったスター俳優も多く、監督ではジョン・フォード、ウィリアム・ワイラーをしばしば起用した。『孔雀(くじゃく)夫人』(1936)、『デッド・エンド』(1937)、『偽りの花園』(1941)など文芸作品が多いのも特徴。1947年には『我等(われら)の生涯の最良の年』(1946)で、作品賞他アカデミー賞主要7部門を獲得。同時に彼自身、アービング・サルバーグ記念賞を受賞した。代表作は他に『ステラ・ダラス』(1925)、『人類の戦士』(1932)、『嵐(あらし)が丘』(1939)、『虹を掴(つか)む男』(1947)など。
[宮本高晴]