米国医学界最高の科学賞として知られ、疾病の解明や治療、予防などに大きく貢献した科学者や医者らに与えられる。ラスカー夫妻が設立したラスカー財団が運営。「米国のノーベル賞」とも言われ、これまでの受賞者のうちノーベル賞受賞者は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した京都大の
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ラスカー財団の創始者であり慈善家でもあったラスカー夫妻(アルバートAlbert Davis Lasker(1880―1952)とメアリーMary Woodard Lasker(1901―1994))によって1945年に創設された医学賞。基礎医学および臨床医学に貢献した研究者らに与えられるアメリカの権威ある医学賞である。この賞の受賞者のなかからノーベル医学生理学賞の受賞者が出ることも多く「アメリカのノーベル医学生理学賞」ともよばれる。基礎医学研究賞、臨床医学研究賞、公益事業賞および医学特別業績賞の種類がある。
基礎医学研究賞Albert Lasker Basic Medical Research Awardは、障害や死の原因に関する基礎的な発見をした研究者らを対象とする。日本人では、細胞の遺伝子変異によってがんが発生することを明らかにした花房秀三郎(はなふさひでさぶろう)(1982)、生体組織を攻撃する抗原に対する抗体発現の仕組みを遺伝子構成段階で解明した利根川進(とねがわすすむ)(1987)、生体内のあらゆる細胞へ分化できるiPS細胞を樹立させた山中伸弥(やまなかしんや)(2009)、生体内の細胞異常の修復機構を解明した森和俊(もりかずとし)(1958― )(2014)らの受賞者がいる。
臨床医学研究賞Lasker-DeBakey Clinical Medical Research Awardは、治療法の改善など臨床医学研究に貢献した研究者を対象に与えられる。日本人の受賞者には、心筋梗塞(こうそく)などの予防にかかわる脂質異常症の治療薬として有用なスタチンを発見した遠藤章(えんどうあきら)(1933―2024)(2008)がいる。
公益事業賞Lasker-Bloomberg Public Service Awardは、医療や保健にかかわる公益事業に社会的貢献をした者に与えられる。2000年からラスカーの妻メアリーの名を冠していたが、2011年に現名称に改称された。医学特別業績賞Lasker-Koshland Special Achievement Award in Medical Scienceには、生化学研究にとくに業績のあったコシュランドDaniel E. Koshland Jr.(1920―2007)の名が加えられている。
[編集部]
(2014-9-12)
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