ラムセス二世(読み)ラムセスにせい(その他表記)Ramses II; Ramesses II

精選版 日本国語大辞典 「ラムセス二世」の意味・読み・例文・類語

ラムセス‐にせい【ラムセス二世】

  1. ( ラムセスはRamses ) エジプト第一九王朝の王(在位前一三〇一‐前一二三四)。エジプト最盛期最後の王。ヒッタイト侵入を阻止して大帝国を再建ラメセウムテーベ)、ヌビアのアブ‐シンベルなど大建築事業で知られる。ラメス。生没年未詳。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラムセス二世」の意味・わかりやすい解説

ラムセス2世
ラムセスにせい
Ramses II; Ramesses II

古代エジプト第 19王朝3代目の王 (在位前 1304~前 1237) 。ラメッセス2世とも呼ばれる。セティ1世の子。エジプト史上第2の治世期間を記録し,ラムセス王朝の黄金時代を築いた。若くして父王と共同統治,ナイルデルタ祖先の地に美しい王の町をつくり,治世4年目にヒッタイトに奪われた失地回復のため,まず南シリアを制圧。翌年 (前 1299) 主力をカデシュ攻略に向けたが,敵情を誤認し,味方の別動隊に救出された。その記録はカルナック神殿,その他に残されているが,戦況の詳細がこの戦いのように後世に知られた例はエジプト史でも珍しい。攻略の失敗は諸国の反乱を誘発したが,ラムセスはよくそれらを制し,治世 10年目頃ついに失地奪還。その後 16年間ヒッタイトとの紛争が続いたが,和議が成立。前 1270年ヒッタイトの王女を妻とした。一方,エドン,モアブネゲブに対しては制裁攻撃を加え,執拗にデルタに侵入するリビア人に対する攻撃に力を注いだ。またカルナック神殿,アブ・シンベル神殿,ラメッセウムをはじめエジプト各地に多くの神殿,オベリスク宮殿巨像などを増築,建立し,その権勢国力のほどを示した。

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