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ランデスヘルシャフト Landesherrschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ランデスヘルシャフト
Landesherrschaft

中世末期以降,神聖ローマ帝国内で各地の領邦 (ラント) が形成した地方規模の国家制度,国家主権のこと。ドイツの約 300のラントのなかにはプロシアやオーストリアのような完全な国家にまで発展したものもある。おのおのの発展過程,形態はさまざまであったが,中世以降のドイツ国制史上の最も特徴的な存在である。中世末期のドイツでは王権が急速に没落し,相対的に各地の諸侯 (ランデスヘル) の勢力が増大した。とりわけ 1220年と 31年の皇帝特許状によって,諸侯は政治的独立性を大幅に認められ,国王大権のほとんどを次々と獲得し,いわば種々雑多な権力の集合体としてランデスヘルシャフトを形成した。 1356年の金印勅書は,ラントの帝国からの事実上の独立を承認し,各ラントはその中央集権化を推進して権力の単一化をはかった。この段階以降のランデスヘルシャフトはランデスホーハイトとも呼ばれるが,中世末から 17世紀中頃までは,領邦内の特権諸身分によって制限された場合が多かった。このようなラント単位の権力の分裂の状況は,19世紀後半におけるドイツ統一まで続いた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ランデスヘルシャフト【Landesherrschaft】

ドイツ国制史の用語。中世ドイツの国制的発展は,イングランドやフランスのように,封建王政のもとでの統一国家形成の方向に進まず,皇帝を頂点とする帝国(ライヒ神聖ローマ帝国)の枠組みのなかで,諸侯のきわめて独立性の強い支配領域=領邦(ラント)が多数形成され(領邦国家),ライヒとラントの国制的二重構造がつくりだされるという方向をたどった。こうした諸侯の領域的支配権力がランデスヘルシャフト(領邦支配権ないし領邦君主権)であり,それはみずからの上位に皇帝権力を認めつつも,領邦内部の統治にあたっては,それによって掣肘(せいちゆう)されることがほとんどなかった。

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