リサジュー図形(読み)リサジューズケイ(その他表記)Lissajous' figures

デジタル大辞泉 「リサジュー図形」の意味・読み・例文・類語

リサジュー‐ずけい〔‐ヅケイ〕【リサジュー図形】

互いに垂直方向に振動する二つ単振動を合成したときに、時間とともに描かれる曲線図形フランスの物理学者リサジュー(J.A.Lissajous[1822~1880])が、砂を入れた漏斗に2本の糸をつないで合成振動をさせ、落ちる砂によって目に見える形で得た。リサジュー曲線。リサージュ図形。

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改訂新版 世界大百科事典 「リサジュー図形」の意味・わかりやすい解説

リサジュー図形 (リサジューずけい)
Lissajous' figures

点Pが一つの平面内で互いに直角な方向に単振動xa cos ωtyb cos (ω′t+ε)を同時に行うとき,xy平面上における点Pの軌跡をいう。フランスの物理学者リサジューJules Antoine Lissajous(1822-80)によって研究されたことからこの名がある。ω:ω′が有理数の場合には一定の時間が経過するともとの状態にもどる閉じた曲線となる。図1はその一例で,ab,ω:ω′=5:6,ε=0の場合である。リサジュー図形を描くいちばん簡単な方法は,図2のような2本の糸でつり下げた振子を,砂を入れた容器をおもりとして砂をこぼしながら振らせることである(このような振子をブラックバーン振子という)。ブラウン管オシロスコープ発振器を使えば,ω:ω′を任意に選んで手軽にリサジュー図形を表示することができる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リサジュー図形」の意味・わかりやすい解説

リサジュー図形
リサジューずけい
Lissajous figure

平面上で互いに直交する2方向の単振動を合成して得られる運動が描く平面図形ブラックバーンの振り子を用いたり,オシロスコープの横軸縦軸にそれぞれ正弦波の電気振動を加えたりして得られる。 xy 方向の単振動のそれぞれの角振動数を ω1,ω2 として xa sin (ω1+α),yb sin (ω2+β) で表わすと,比 ω21位相差 α-β の値に応じて,各辺の長さが 2a ,2b長方形に内接した種々のリサジュー図形が得られる。ω1=ω2ならば図形は楕円となり,運動は楕円振動と呼ばれる。このとき楕円から位相差 α-β が求められる。図形は比 ω12 の値が有理数ならば閉曲線となるが,無理数ならば閉じない複雑な曲線となって長方形の内部を塗りつぶす。

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