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リソソーム lysosome

翻訳|lysosome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リソソーム
lysosome

細胞小器官(→細胞器官)の一つ。ライソソームリソゾームとも記す。1950年代,ベルギーのクリスチャン・ド・デューブらが,ネズミの肝細胞分画にミトコンドリアよりもやや小型の顆粒で酸性の加水分解酵素を含むものがあることを発見した。含まれる酵素には,酸性ホスファターゼ,酸性リボヌクレアーゼおよび酸性デオキシリボヌクレアーゼ,カテプシン,β-グルクロニダーゼなどがある。リソソームは,肝臓細胞のほかにも白血球などの食作用の盛んな細胞内に多量に存在するので,細胞内に取り込んだ異物の消化器官と考えられている。またリソソームの働きの一つに,細胞内でリソソームが壊れて細胞内構成成分が自己消化をする自己融解作用(→自己分解)がある。これは細胞の死後に普通に生じる現象である。

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栄養・生化学辞典の解説

リソソーム

 細胞内の小器官の一つで,内部にいずれも微酸性領域に至適pHをもつグリコシダーゼ,エステラーゼ,リパーゼ,ヌクレアーゼ,ペプチダーゼ,プロテアーゼなどの加水分解酵素を含み,細胞外から取り込んだ高分子化合物や,細胞内の高分子化合物の分解に寄与する.中の酵素が欠損していると疾病(リソソーム蓄積症)をもたらす.たとえば,グリコシダーゼが欠損するとグリコーゲンが貯留する.

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世界大百科事典 第2版の解説

リソソーム【lysosome】

ライソソームともいう。細胞質にみられ,さまざまな大きさと構造(直径0.4~5μmの顆粒(かりゆう)あるいは小胞)をもち,1枚の膜で囲まれた各種の加水分解酵素を含む細胞小器官である。ド・デューブC.de Duveは,ラット肝臓からミトコンドリア分画よりやや軽い構造をもち加水分解酵素に富む顆粒分画を分離し,加水分解を行う(lyso)小体(some)という意味でlysosomeと名づけた(1955)。その後,電子顕微鏡によって細胞小器官の構造として確かめられた。

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大辞林 第三版の解説

リソソーム【lysosome】

〔「リソゾーム」 「ライソゾーム」とも〕
多くの加水分解酵素を含み、消化作用を行う細胞小器官。真核細胞の中の膜性の小胞で、特に食作用を行う細胞に多く存在する。細菌などの異物や老朽化した自身の細胞の消化、その他種々の役割を果たす。

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世界大百科事典内のリソソームの言及

【加水分解酵素】より

…細胞内にも高分子物質をその構成単位に分解する酵素が種々存在し,外来性の異物の分解や,細胞内で不要になったタンパク質や,核酸などからのアミノ酸やヌクレオチドの回収を行っている。細胞構成成分の無差別加水分解による細胞の自己消化が起きないように,これらの酵素はリソソームlysosomeと呼ばれる細胞器官に局在し,細胞の他の部分からは隔離されている。このような広義の栄養に関係した働きのほかに,生理機能の調節や制御に関係するものもある。…

【エンドサイトーシス】より

…アメーバが餌である繊毛虫テトラヒメナやゾウリムシ,鞭毛虫キロモナスなどを食べるとき,仮足を二またに大きく突き出し包み込むようにして体内に入れ,結果としていわゆる食胞を新しく作る。この食胞は後にリソソームというタンパク質分解酵素を含んだ細胞質中に散在する袋と融合して餌を分解・消化してしまう。仮足で餌を包み込むとき,仮足内で透明に見える細胞質は,単なるゾル状物質ではなく内部に繊維構造がつぎつぎと作られていることが電子顕微鏡像から明らかになった。…

【加水分解酵素】より

…細胞内にも高分子物質をその構成単位に分解する酵素が種々存在し,外来性の異物の分解や,細胞内で不要になったタンパク質や,核酸などからのアミノ酸やヌクレオチドの回収を行っている。細胞構成成分の無差別加水分解による細胞の自己消化が起きないように,これらの酵素はリソソームlysosomeと呼ばれる細胞器官に局在し,細胞の他の部分からは隔離されている。このような広義の栄養に関係した働きのほかに,生理機能の調節や制御に関係するものもある。…

【自己消化】より

…これはバクテリアが外から働き細胞を分解して無機物に変えてしまうからであるが,それと同時に,内部からの崩壊も大きい役割を果たしている。細胞の中にリソソームというタンパク質分解酵素を含む径約0.4μmの胞状の構造があるが,いつもは,このリソソームは食細胞運動によって細胞内に入ってきた食胞と融合して,食胞内物質を消化して分解物を細胞質に出す。ところが細胞が死ぬと,このリソソームの膜が破れて細胞質にタンパク質分解酵素が働き無機物に分解してしまう。…

※「リソソーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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