リボルノ(その他表記)Livorno

改訂新版 世界大百科事典 「リボルノ」の意味・わかりやすい解説

リボルノ
Livorno

イタリア中部,トスカーナ州リグリア海に臨む海港都市。英語ではレグホーンLeghorn。人口16万0534(2005)。イタリアの最も重要な港の一つで,ガラス製造,重工業も発達している。14世紀初め小さな漁村だったが,徐々に海港都市として発展し,同世紀末には北にあるピサが要塞化した。1405年,フィレンツェとピサとのあいだの戦争のとき,リボルノはジェノバの手に移り,21年,ジェノバは10万フィオリーニ金貨でフィレンツェに譲渡した。1571年,メディチ家コジモ1世がメディチ港の築港を開始した。16世紀末には移住者に対する居住,交通,信仰の自由が認められ,1675年には自由港となって,国際貿易の中心地として繁栄した(1860年まで)。1921年1月,この地で社会党大会が開かれ,イタリア共産党が誕生した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リボルノ」の意味・わかりやすい解説

リボルノ
りぼるの
Livorno

イタリア中部、トスカナ州リボルノ県の県都。人口14万8143(2001国勢調査速報値)。アルノ川河口から15キロメートル南にあり、リグリア海に臨む港湾都市。もとは小さな漁村であったが、とくに16世紀後半以降メディチ家の港として整備され、大きく発展した。その後1908年にサント・ステファノ・ドックがつくられ、1924~32年に工業港が形成されて近代港としての装いが整えられた。しかし第二次世界大戦中にはきわめて深刻な被害を受けた。火力発電化学造船精油の大プラントがあるほか、機械工業、ガラスや陶器の生産が行われる。フィレンツェとの間に石油パイプラインが敷設されている。漁港としても重要。大聖堂(16世紀につくられ、第二次世界大戦後再建)や、1881年創設の海軍兵学校などがある。英語名をレグホーンLeghornといい、卵用ニワトリのレグホーン種の原産地・積出し港として知られる。

[堺 憲一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リボルノ」の意味・わかりやすい解説

リボルノ
Livorno

イタリア中西部,トスカナ州リボルノ県の県都。フィレンツェの西南西約 80km,リグリア海にのぞむ港湾都市。中世にメディチ家の支配下で発達。 1571年波止場がつくられ,73年にピサと結ぶ運河が掘られて港湾施設が整い,17世紀初頭には城郭によって市街が囲まれた。現在,西海岸ではジェノバ,ナポリに次ぐ重要な商港で,ワイン,オリーブ油,穀物,大理石などを輸出し,石油,工業原料を輸入する。製鉄工業が盛んで,造船,精油,化学工業も行われる。海軍兵学校がある。ニワトリのレグホーン種はこの付近が原産地で,これはリボルノの英語名レグホーン Leghornに由来する。人口 16万1131(2011推計)。

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百科事典マイペディア 「リボルノ」の意味・わかりやすい解説

リボルノ

イタリア中部,トスカナ州のリグリア海岸の港湾都市。造船所,海軍大学があり,イタリアの最も重要な港の一つで製鉄,製油,ガラス,化学などの工業が行われる。16世紀にメディチ家がメディチ港を築港した。英語ではレグホーンLeghornと呼ばれ,ここから輸出された白色卵用ニワトリはレグホーン種として有名。15万7052人(2011)。

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