リーワード諸島(読み)りーわーどしょとう(英語表記)Leeward Islands

改訂新版 世界大百科事典 「リーワード諸島」の意味・わかりやすい解説

リーワード[諸島]
Leeward Islands

西インド諸島東部,小アンティル諸島のうち北部を構成する島群。バージン諸島からドミニカ島まで南東に連なり火山島が多い。熱帯に位置するが海洋性気候で快適。イギリス,フランス,アメリカの自治領からなるが,ドミニカ連邦(1978),アンティグア・バーブーダ(1981),セントクリストファー・ネビス(1983)が独立を達成した。バナナ,サトウキビ,タバコなどを多産するほか,避寒地として有名。1493年コロンブスにより〈発見〉された。なお,南太平洋ポリネシアのソシエテ諸島の一部もリーワード諸島と呼ばれることがある。
アンティル[諸島]
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リーワード諸島」の意味・わかりやすい解説

リーワード諸島
リーワードしょとう
Leeward Islands

西インド諸島東部,小アンティル諸島北部の島群。北東へ張出す弧を描いて連なり,北西からバージン諸島,アンギラ島,サンマルタン島,セントキッツ島アンティグア島,モントセラト島,グアドループ島,ドミニカ島などから成る。主産業は農業で,サトウキビ,熱帯果樹,タバコ,カカオ,コーヒーなどを栽培。主要な島には農産物加工業が立地。近年は観光業が重要な産業となってきている。ドミニカ国が 1978年に,アンティグア・バーブーダが 81年に,セントキッツ・ネビスが 83年にいずれもイギリスから独立したが,ほかはすべてイギリス,フランス,アメリカ合衆国,オランダなどに属する非独立地域である。リーワードは「風下の」の意であるが,これは東からの貿易風に対して,南のウィンドワード (「風上の」の意) 諸島より風下にあることから名づけられた。なお最南のドミニカ島はウィンドワード諸島に含められることもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リーワード諸島」の意味・わかりやすい解説

リーワード諸島
りーわーどしょとう
Leeward Islands

カリブ海東部、小アンティル諸島北部の列島。プエルト・リコ島の東から、マルティニーク海峡までの島々で、南東に約400キロメートルにわたって連なる。名称は「風下諸島」の意。イギリスおよびアメリカ領のバージン諸島、オランダおよびフランス領のサン・マルタン島、オランダ領のサバ島、セント・ユスタティウス島、フランス領のグアドループ島、マリー・ガラント島、イギリス領のモントセラト島、アンギラ島、独立国のアンティグア・バーブーダ、ドミニカ国、セント・クリストファー・ネイビスなどからなる。島々の大部分は火山島であり、北東貿易風の影響で風上斜面は雨量が多く、山は森に覆われている。また、周囲が海のため、気温が和らげられ、気温の年較差は少なく、避寒地となっている島が多い。主産物は果物、サトウキビ、綿花、コーヒー、タバコなどである。

[菅野峰明]

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世界大百科事典(旧版)内のリーワード諸島の言及

【アンティル[諸島]】より

… ヨーロッパでは,中世から大西洋の向こうにはアンティリアAntiliaと呼ばれる土地があると想像されていたが,コロンブスの新世界発見後,スペイン人がハイチをアンティリアにあて(1493),1502年の地図では諸島をスペイン語でアンティリャスAntillasと呼んだ。また小アンティル諸島のうちグレナダから北西にある島々は貿易風の恵みをうけるのでバルロベントBarlovento諸島,英語でウィンドワード諸島と呼び,ベネズエラ沖の島々をソタベントSotavento諸島(〈風下〉の意),英語でリーワード諸島と呼んでいる。スペイン人はおもに大アンティル諸島を征服・植民したが,小アンティル諸島では原住民を奴隷として徴発するばかりで,ほとんど植民を行わず,その後イギリス,フランス,オランダなどが進出した。…

※「リーワード諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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