デンマークのシェラン島にあるロスキレ湾最奥部の古都。人口5万1000(1996)。10世紀にすでにその名が知られたデンマーク最古の都市の一つで,ハーラル青歯王(在位950ころ-985)により王の館が造られた。1020年ごろ,司教座が設けられ,繁栄が始まるが,15世紀に王の居館および司教座が約30km東のコペンハーゲンに移り,以後衰微した。1658年,当地でデンマーク,ノルウェーとスウェーデン間の和約が結ばれ,1847年には当地とコペンハーゲン間にデンマーク王国最初の鉄道が敷設され,経済的に再興した。ロスキレ大聖堂は,10世紀に建てられた木造教会の地に建設され,マルグレーテ1世女王やクリスティアン1世および1536年以降の代々のデンマーク王の墓所で,これを中心に都市が広がっている。1972年にデンマークで4番目の大学が設立された。ロスキレは首都からの距離が近いため,相互に影響を受けあい,1834年の地方議会が当地に開設されたのも首都への政治的インパクトを避けるためであった。
執筆者:村井 誠人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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