ローズグラス(読み)ろーずぐらす(英語表記)Rhodes grass

デジタル大辞泉 「ローズグラス」の意味・読み・例文・類語

ローズ‐グラス(Rhodes grass)

イネ科の多年草。高さ60~150センチ。夏、メヒシバに似た穂をつける。アフリカ原産で、温帯では牧草として栽培

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改訂新版 世界大百科事典 「ローズグラス」の意味・わかりやすい解説

ローズグラス
Rhodes grass
Chloris gayana Kunth.

飼料とするために暖地で栽培されるイネ科の多年草。原産地は南アフリカで,C.J.ローズの名にちなむといわれる。茎は細長く草丈1~1.5mとなり,多数の細い葉をつける。先に穂をつけ,穂はその基部で10~15本に枝分れし,各軸は長さ5~10cmで多数の小穂をつける。1小穂は2小花よりなり,小花は長さ3mmほどで外穎(がいえい)に1~5mmの芒(のぎ)がつく。地上をはう匍匐(ほふく)茎によって増殖するのがふつうであるが,一年草的なものや長い匍匐茎を出さずに株状になるものなど,多数の生態型がある。栽培する場合には種子で増殖させる。日本ではあまり栽培されていないが,種は早春にまくとよいとされる。高温強いが寒さに弱く,北日本では越冬できない。放牧地の草としたり,青刈飼料乾草とする。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローズグラス」の意味・わかりやすい解説

ローズグラス
ろーずぐらす
Rhodes grass
[学] Chloris gayana Kunth

イネ科の多年草。アフリカ南部原産。草丈は60~150センチメートルで、夏にメヒシバに似た穂状花序をつける。地下茎でも繁殖する。真夏の高温に強く、やせ地でもよく生育するので、アメリカ、東南アジア、オーストラリアなどで牧草として栽培される。日本へも1958年(昭和33)にアメリカから導入され、関東地方以南の暖地の夏型牧草として利用されている。5月に種を播(ま)き、7~10月の間に4、5回刈り取ることができる。生草で10アール当り6~10トンの収量があり、乾草にしても品質がよい。関東地方以北では越冬することができず、一般に温帯では一年草として栽培されている。

星川清親

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百科事典マイペディア 「ローズグラス」の意味・わかりやすい解説

ローズグラス

南アフリカ原産の暖地型イネ科の多年生牧草。茎は細長く,きわめて多葉。C.J.ローズによって牧草としての価値が認められ,栽培されるようになったことから,この名がある。高温には強いが耐寒性はなく,寒地では越冬できず一年生となる。耐干性が強く,アルカリ土壌にも強い。家畜の蹄傷に耐え嗜好性も良いので放牧用に適し,乾草も良質多収である。
→関連項目牧草

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