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ロードプライシング(英語表記)road pricing

翻訳|road pricing

大辞林 第三版の解説

ロードプライシング【road pricing】

交通混雑する都心部などに乗り入れる車に特別に料金を課し、混雑緩和や排出ガス対策を図ろうとする政策。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロードプライシング
ろーどぷらいしんぐ
road pricing

道路利用に対して一定の料金を課すことによって、道路混雑の緩和や環境負荷を低減させようする政策交通需要マネジメント(TDM)のうちの一つ。混雑料金と同じように述べられることもあるが、環境負荷に関する課金の性質ももつために、厳密には混雑料金と同義ではない。
 モータリゼーションの進行によって、とくに都市内や都市周辺の道路では混雑が深刻な問題となっている。従来は道路の建設、拡充によって混雑を緩和、解消するという政策がとられてきた。しかし、財政的な制約や地理的な制約もあり、道路利用に対して課金を行うことで利用者に料金抵抗をかけ、需要を抑制することによって混雑を解消、緩和しようとする世界的な動きがある。イギリスにおいては、すでに1960年代よりロードプライシングの政策提案がなされていた。
 経済学においては、社会的限界費用(交通量が1単位増加するときに社会全体が負担する費用の増加分)と私的限界費用(交通量が1単位増加するときに道路利用者個人が負担する費用の増加分)の乖離(かいり)部分を料金として道路利用者に課金すれば、社会的便益が最大になることが理論的に明らかにされている。しかし、実際には道路に対する課金は道路建設の資金調達のために実施されることもあり、ロードプライシングの目的は単純ではない。
 ロードプライシングは一般道路への課金を主体とするために、低所得者の道路利用を妨げるものであるというような問題点が指摘されている。ロードプライシングは国民生活に直接影響を与える問題であるために、コンセンサスを得ることがなかなかむずかしく、多くの国々で実施が求められながら挫折(ざせつ)した事例は多い。
 最初にロードプライシングが導入されたのは、1975年のシンガポールであるとされている。また、ロンドンでは2003年よりロードプライシングが実施されている。東京でも2001年(平成13)ごろにロードプライシングの導入が真剣に議論されたことがあった。そのほか、北欧においてロードプライシングの実施例が多く、アメリカにおいても導入事例がみられる。現在は日本のETC(ノンストップ自動料金収受システム)に近いシステムがロードプライシングとして想定されることが多いものの、GPS(全地球測位システム)機能を利用したロードプライシングの実施が世界各国で検討されている。[竹内健蔵]
『竹内健蔵著『交通経済学入門』(2008・有斐閣) ▽根本敏則・味水佑毅編著『対距離課金による道路整備』(2008・勁草書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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