コンセンサス(その他表記)consensus

翻訳|consensus

デジタル大辞泉 「コンセンサス」の意味・読み・例文・類語

コンセンサス(consensus)

意見一致合意。「社内コンセンサスを得る」
[類語]合意意気投合以心伝心呼応息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響くつうかあ応える共鳴同感共感拈華微笑ねんげみしょう心を合わせる心を一にする心を通わす心が通う気が置けない胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う

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精選版 日本国語大辞典 「コンセンサス」の意味・読み・例文・類語

コンセンサス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] consensus ) 合意。特に、国の政策などに対する、国民の同意、賛同。
    1. [初出の実例]「対立を超えた次元でのコンセンサス(一致)が存在しなくてはならない」(出典:憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉八)

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改訂新版 世界大百科事典 「コンセンサス」の意味・わかりやすい解説

コンセンサス
consensus

政治に対する認知や態度の基本的な点に関して,人々の間に高度の合意が存在することをいう。価値と利害の多元性を前提とする社会では,人々の間に多様な対立が存在するのが常態である。こうした対立を調整して社会の秩序を安定させることが,政治の機能の一つであるが,調整が効果的に行われるためには,人々の間にある程度の意見の一致がみられることが必要である。もちろん,こうした一致が対立や紛争を生み出している個々争点に関して存在する必要はない。ただ,たとえば政権の平和的交代多数決による決定,少数意見の尊重といった基本的ルールについては,人々の間に高度の合意があることが必要であろう。また,何が現在の政治における最も重要な争点であるかといった判断についても,相当に高度の合意が必要とされる。こうした合意がコンセンサスにほかならない。民主政治においては,何らかの同質性が不可欠の前提であるが,コンセンサスはこうした同質性を調達する要因の一つと考えられる。コンセンサスは,その量的規模において合意と区別される。すなわち,単なる合意はわずかに半数をこえる人々の意見の一致であってもよいが,コンセンサスは社会の構成員の圧倒的多数を含むことを要求される。また,コンセンサスは,その対象に関してコンフォミティ同調)とは異なる。コンフォミティは,人々に同一歩調をとらせるために,いかなる争点でも利用しようと試みるが,コンセンサスは,単に基本的なルールに関して意見の一致を求めるにすぎない。
合意
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンセンサス」の意味・わかりやすい解説

コンセンサス
こんせんさす
consensus

重要問題(外交政策、憲法体系、基幹経済政策など)や、社会の基本的価値に関する広範な同意・受容をいう。システムの目標・目的、目標達成手段・方法、意思決定装置の構成、紛争処理技法・手続、意思決定者の補充方法などに関する広大なコンセンサスの存在は、社会的凝集力を強化・促進する統合力となるが、妥協の精神、限りあるものを分かち合う精神がメンバーやリーダーに備わっていなければ、その形成・維持は困難である。またある程度の社会的同質性が不可欠となる。コンセンサス範域が大きいシステムでは、同意の調達、複合的多数派の形成が容易で、分裂力を極小化するので政治的安定が現出しやすい。逆にディセンサスは対決型政治を助長する。

[岡沢憲芙]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンセンサス」の意味・わかりやすい解説

コンセンサス
consensus

人々がコミュニケーションを媒介してある命題を相互承認すること。意見または判断の一致を表わす英語にはコンセンサスとコンセント consentがあるが,前者は一般に合意,後者は同意と訳される。単なる多数決投票の結果や契約書への調印といった現象を通常は同意と呼び,コミュニケーション過程と相互了承を伴う合意とは必ずしも同じ意味ではない。近代の社会契約論は,国家や社会の設立や存続とに関してのコンセンサスの理論でもある。利害調整や対立意見の説得を通じてコンセンサスを拡大する政治手法をコンセンサス・ポリティックスと呼ぶこともある。

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