首都高速道路(読み)しゅとこうそくどうろ

共同通信ニュース用語解説 「首都高速道路」の解説

首都高速道路

埼玉千葉、東京、神奈川の1都3県を通る自動車専用道路東京都心の渋滞緩和を目的に1962年、京橋芝浦の4・5キロが初めて開通し、64年東京五輪に向け整備が進んだ。現在の総延長は約320キロ。都心環状線から複数ルート放射状に延び、東北自動車道東名高速道路などと接続する。通行量は1日約100万台。東京の一般道に比べ、トラックなど大型車の通行が多いのが特徴。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「首都高速道路」の意味・わかりやすい解説

首都高速道路
しゅとこうそくどうろ

東京都およびその周辺部において、自動車交通を円滑に処理し、首都の機能を維持し、増進させることを目的とした有料の自動車専用道路。管理は首都高速道路株式会社高規格幹線道路として建設された高速道路ではないので、制限速度は40~80キロメートルとなっている。1959年(昭和34)発足した首都高速道路公団が建設・管理運営していたが、2005年(平成17)に民営化し、首都高速道路株式会社に引き継がれている。

 当初は、都市部を中心に70キロメートルの路線を整備する予定であったが、順次延長され、2012年時点で301キロメートルが開通、26キロメートルが建設中である。開通しているのは、都心環状線、中央環状線のうち3号線と接続する大橋ジャンクション(JCT)から湾岸線と接続する葛西(かさい)JCT間、1号上野線の江戸橋JCT―入谷ランプ間、1号羽田線および神奈川1号横羽線の浜崎橋JCTから神奈川3号線に接続する石川町JCT間、八重洲線の神田橋JCT―西銀座JCT間、2号線の一ノ橋JCT―戸越ランプ間、3号線の谷町JCT―用賀ランプ間、4号線の三宅坂JCT―高井戸ランプ間、5号線および埼玉大宮線並びに同新都心線の竹橋JCT―さいたま見沼ランプ間、6号向島線および同三郷(みさと)線の江戸橋JCT―三郷JCT間、7号線の両国JCT―一之江ランプ間、9号線の箱崎JCT―辰巳(たつみ)JCT間、10号晴海線の東雲(しののめ)JCT―豊洲ランプ間、11号線の芝浦JCT―有明JCT間、神奈川2号線の金港(きんこう)JCT―保土ケ谷インターチェンジ(IC)間、神奈川3号線の本牧(ほんもく)JCT―狩場IC間、神奈川5号線の生麦JCT―大黒(だいこく)JCT間、神奈川6号線の川崎浮島JCT―大師JCT間、川口線の江北JCT―川口JCT間。3号線は東名高速道路に、4号線は中央自動車道に、6号線は常磐自動車道に、それぞれ接続している。

 2012年時点で建設中の主な区間は中央環状品川線(大橋JCT―大井JCT)、横浜環状北線および北西線(生麦JCT―横浜青葉IC・JCT)である。車線数は、湾岸線は6車線、その他は4車線。1日当りの利用台数は、開通当初の1962年度には約1万1000台であったが、2012年(平成24)4月期には約105万台に増加。1日当り約180万人の移動と、約106万トンの輸送に用いられている。この道路はきわめて交通処理能力の大きい効率的な交通施設として、首都東京の物資の輸送、都市活動などに大きく役だっている。

 一方、減ってきてはいるものの、首都高速道路の渋滞による年間損失額は約1000億円と膨大であり、渋滞の抜本的解消に向けて、3環状道路(中央環状線、東京外かく環状道路、首都圏中央連絡自動車道)の早期完成が待たれる。

[下保 修]


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改訂新版 世界大百科事典 「首都高速道路」の意味・わかりやすい解説

首都高速道路 (しゅとこうそくどうろ)

東京都の区部およびその周辺地域の自動車交通を改善し,首都機能の向上をはかるため,首都高速道路公団(1959設立,2005年より首都高速道路株式会社)によって建設管理される有料の自動車道路網。1964年の東京オリンピックまでに30kmが完成し,現在は24路線248km(1997年初)を供用している。放射線(1号~9号線),横羽線,湾岸線,葛飾川口線などからなる。1996年度の総交通量は約115万台/日(東京区部幹線道路交通台キロの28%),料金収入は約2776億円で,首都の交通改善に貢献しているが,多くの個所で交通量が交通需要予測を上回り,渋滞が生じている。基本計画指示路線は,既存路線も含めて331kmあり,現在建設もしくは計画中の路線の最も主要な路線は,渋滞の抜本的対策としての中央環状道路(都心から半径約8kmの第2リングで,その1/3が開通)の早期完成で,そのほか湾岸線の延伸,川崎縦貫線,横浜環状線などの建設が進められている。設計速度は60km/h(湾岸線と一部郊外線は80km/h)。おもに街路や河川敷の上に建設され,高架構造が主体。建設財源は道路債券の発行を主とし,そのほかに民間借入金,国および関係地方自治団体からの出資金がある。債券・借入金の返済には通行および駐車料金収入等をあてている。
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百科事典マイペディア 「首都高速道路」の意味・わかりやすい解説

首都高速道路【しゅとこうそくどうろ】

東京都心および周辺地域の自動車交通の円滑化のためにつくられた自動車道路網。1959年に設立された首都高速道路公団(2005年より民営化)が建設・管理している。1962年に京橋〜芝浦間4.5kmが開通して以来,路線は漸次拡張され,2012年4月現在の営業キロ数は301.3km。21路線を数え,東京線は環状線・放射線・その他の路線に分かれ,ほかに神奈川線・埼玉線がある。料金収入は年間2507億円,駐車場料金収入17億円(2011年度)。道路は主として片側2車線,設計速度60kmで,高速自動車国道と連絡している。2013年現在建設中または建設準備中の路線は中央環状品川線など6路線。道路の安全・円滑な運用を図るために交通管制システムが導入され,本線上約300mごとにセンサーが設置されている。
→関連項目高速道路日本道路公団

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「首都高速道路」の意味・わかりやすい解説

首都高速道路
しゅとこうそくどうろ
Metropolitan Expressway

首都高速道路株式会社が建設,管理をする高速道路。東京都を中心とする首都圏の交通網整備のため,1959年6月首都高速道路公団(今日の首都高速道路株式会社)が設立され,1962年12月京橋-芝浦 4.5kmが開通,2012年12月末現在,総延長 301.3kmに達している。計画路線まで含めると 322.5kmの高速道路が完成する予定。高架方式で,一般街路と分離し,平面交差のない自動車専用道路である。設計速度時速 50~60km(一部 80km),4~6車線で標識,照明,路面凍結防止装置などの設備が設けられ通行台数,速度をセンターに集め,そのときどきの交通情報を電光標識,ラジオなどに提供する交通管制システム,パトロールカーによる 24時間監視を実施。

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