環境汚染物質の排出を削減するため、石炭、石油、天然ガス等の化石燃料消費に課する税のこと。環境汚染問題に対して直接的な規制手段ではなく、価格メカニズムを通して汚染防止を図る経済手段として用いられる。
今日の世界的課題となっている地球温暖化防止の一手段として、環境税として二酸化炭素(CO2)排出に税をかける炭素税が検討・導入されるようになっている。化石燃料の消費に対して直接課税する炭素税は、排出権取引制度とともに、炭素に価格づけをして排出抑制を図る経済手法、「カーボンプライシング」の一つである。
ヨーロッパでは、北欧諸国などで、すでに高額な炭素税を所得税減税と組み合わせて導入している国などもある。日本でも2050年までのカーボンニュートラルの実現を目ざして、炭素税も含むカーボンプライシングについて検討されるようになっている。ただし、税賦課(価格効果)でどの程度CO2の排出削減に寄与するかは予測がむずかしく、排出削減目標との整合性をとることが困難なこと、同時に環境税だけでCO2排出を削減・安定化させるには非常に高額な税が必要となり経済的負担が大きくなる可能性があること、1国のみで高額な環境税を導入した場合、産業の国際競争力が低下する可能性があること、などの課題があり、日本でも本格的な環境税の導入についての議論はこれからという状況にある。
[小山 堅 2022年1月21日]
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(植田和弘 京都大学大学院教授 / 2007年)
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