一徹(読み)イッテツ

デジタル大辞泉 「一徹」の意味・読み・例文・類語

いっ‐てつ【一徹】

[名・形動]思いこんだことはひと筋に押し通すこと。かたくななこと。また、そのさま。「老いの一徹」「一徹性格
[派生]いってつさ[名]
[類語]強情かたくないこじ意地っ張り片意地業突く張り強情っ張り頑固頑強頑迷石頭気難しい意地になる意地を張る我を張る梃子でも動かない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一徹」の意味・読み・例文・類語

いっ‐てつ【一徹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. ひとすじにうけつがれていること。また、互いに相通じていること。
    1. [初出の実例]「抑吾山者三国一致霊峰兮、弘三祖一徹之法」(出典:来迎寺文書‐天正一二年(1584)五月日・比叡山縁起)
  3. 思い込んだり、言い出したりしたら、是が非でも押し通そうとする気の強い性質。いっこく。
    1. [初出の実例]「木むらひたちのかみと申もの〈略〉にあはざる一てつをつくり」(出典:大かうさまくんきのうち(1605頃))
    2. 「お留申ましても、御年寄りの一ってつ」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)五立)

一徹の語誌

については、江戸時代には「一鉄」の表記も用いられたが、これは、戦国安土桃山時代の美濃国の武士、稲葉通朝入道一鉄に由来するという語源俗解により生まれたもの。近代以降も「言海」「日本大辞書」が、この語源説を載せており、広く浸透していたものらしい。

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