業突く張り(読み)ゴウツクバリ

デジタル大辞泉 「業突く張り」の意味・読み・例文・類語

ごう‐つくばり〔ゴフ‐|ガウ‐〕【業突く張り/強突く張り】

[名・形動]非常に欲張りで強情なこと。また、そのさま。「この―め」「―な(の)家主
「あの―の事だから」〈漱石道草
[類語]かたくな強情意地っ張り片意地いこじ欲張るむさぼるがっつくむさぼり食う欲しがる欲の皮が張る欲深い欲張り欲深強欲貪欲がめつい胴欲慳貪あこぎ多欲貪婪強情っ張り頑固頑強頑迷一徹石頭気難しい意地になる意地を張る我を張る梃子でも動かない

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精選版 日本国語大辞典 「業突く張り」の意味・読み・例文・類語

ごう‐つくばりゴフ‥【業突張・強ガウ突張・剛ガウ突張】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 非常に欲ばりでがんこなこと。ひどく強情で意地の強いこと。また、そのような人やさま。ごうつく。
    1. [初出の実例]「あきれた色深(ゴフツクバリ)だァ」(出典人情本・梅之春(1838‐39)二)

業突く張りの語誌

江戸後期に見られる仏語「ごう(業)」や「ごうさらし(業曝)」との関連が考えられ、「泪の怨(うらみ)を受くると云ふは、能く能く因果な業の蹲踞(ツクバヘ)」〔人情・珍説豹の巻‐後〕、「慾に目が眩れ殺すとは、能々業のつくばった此身の上」〔合巻・一番太鼓春の曙〕などの表現から生じたものか。なお、「強つくばり」という表記は、後に「業」の意義が忘れられてできた当て字と考えられる。

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