手押車の一種で,はしご状の枠に文字どおり車輪を1個取り付けたもの。木製で,手持ち部分は上方にそっており,車輪は手持ち部分の反対側の端に付けられている。ネコグルマなどと通称され,とくに西日本で多く用いられてきた。用途はもっぱら物資運搬用である。手押車としてはもっとも原始的な形態で,車輪も丸太を輪切りにしたものである。起源は古く,古代末期から中世初期ころまでさかのぼると言われている。
執筆者:胡桃沢 勘司
日本に初めて曲芸の一輪車(自転車に属する)を紹介したのは,アメリカ人ウィリアム・エルジット,ローラ・エルジット夫妻。1908年,東京歌舞伎座で〈エルジット階段下り〉など一輪車曲乗りを公演し,日本の曲乗り界に普及した。現在ではサーカス,ショーのプロの曲芸以外に,スポーツとして盛んで,全日本一輪車連盟(1979設立)がある。
執筆者:阿久根 巌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
この名でよばれるものに、自転車と荷物運搬用の手押し車がある。
前者の一輪自転車は、座席が一つで、ペダルで直接車輪を回して前進、後退する。ブレーキやハンドル・バーがなく、乗員の乗車姿勢の変化を利用して方向転換を行う形式のものが多い。スポーツ用、曲技用がある。1853年、当時農民が使っていた馬車の車輪を利用した一輪車「ペドカエードル」が最初につくられ、1855年のパリ博覧会に出展された。実用的な一輪車は1870年にイギリスのホビーJohn Hobbyによってつくられ、1880年にはイタリアのスクリT. Scuriが一輪車でミラノからトリノまで走行した記録がある。1880年代にはさまざまな形のものが考案されているが、その多くは大輪自転車から後輪を外した形式のもので、ハンドル・バーが残されている。なお1860年に一輪車が初めてサーカスで使われた記録がある。
[内田 謙]
後者の手押し車は、車体の前部に1個の車輪をつけたもので、道幅の狭い山道、畑道や工事現場などで農作物や肥料、建設材料などを運ぶのに用いられる。ねこぐるま、おしぐるま、はこぐるまともよばれ、中央アジアから中国にかけて分布し、日本へは中国から伝来した。渡来の時期は明らかでないが、鎌倉時代には用いられていたという記録がある。中国では推車または小車とよばれ、現在も広く用いられている。華北・華南のものは車輪も大きく構造も違うが、四川(しせん)地方のものは日本のものに似ている。帆をかけたり、家畜に引かせたりして労力を節約したものもある。
[佐藤農人]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…荷物を運ぶ車のこと。種類はさまざまだが,一輪車と二輪車に大きく分けることができる。その主要な相違点は,一つは車輪の数の多少による構造の違い,今一つは使用法の違いである。…
※「一輪車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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