日本大百科全書(ニッポニカ) 「七山」の意味・わかりやすい解説
七山
ななやま
佐賀県北部、福岡県に接する東松浦(ひがしまつうら)郡にあった旧村名(七山村(むら))。現在は、唐津市(からつし)の北東部を占める地域。2006年(平成18)唐津市に編入。「七山」の名称は、江戸期の七山組名にちなむ。文化(ぶんか)年間(1804~1818)大部分が唐津藩領から幕領となる。旧村域は、唐津湾に注ぐ玉島川(たましまがわ)上・中流域に位置し、北は福岡県と接する。花崗(かこう)岩類の脊振(せふり)山地西部の山間にあって、スギなどの造林地やミカン園が広がる。佐賀市方面から国道323号が東端の観音峠越えで中心部を通り抜け、浜玉(はまたま)、唐津市中心市街地方面に通ずる。福岡・唐津両市中心街への通勤圏に入る。桑原(くわばる)の樫原湿原(かしのきばるしつげん)は県の自然環境保全地域に指定され、また滝川の観音の滝にも遊歩道ができハイカーでにぎわう。万葉の秀歌を生んだ玉島川の清流にアユの放流がみられる。
[川崎 茂]
『『七山村史』(1975・七山村)』