七瀬祓(読み)しちらいのはらえ

精選版 日本国語大辞典 「七瀬祓」の意味・読み・例文・類語

しちらい‐の‐はらえ ‥はらヘ【七瀬祓】

連語〙 中古以降、宮中毎月または臨時に、吉日を卜定して行なわれた陰陽道の祓えの一つ天皇災禍を負わせた人形(ひとがた)を、七か所の瀬へ七人勅使が持って行って流した祓え。七瀬には種々あった。しちらいみそぎ。ななせのはらえ。
弁内侍(1278頃)宝治三年二月二七日「その日は七らいの御はらへなれば、内侍たち台盤所にてきせぎぬのさたして」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七瀬祓」の意味・わかりやすい解説

七瀬祓
ななせのはらえ

宮中で毎月または臨時に吉日を卜して行われた祓 (はらい) の一つ。七瀬の禊ともいう。7ヵ所の河海で行われる。天皇が息を吹きかけ,からだをなでて,その災禍を負わせた人形 (ひとがた) を流す行事。七瀬 (難波,農太,河俣,大島,佐久那,谷,辛崎) ,霊所七瀬 (河合,耳敏川,松崎,石影,東滝,西滝,大井川) ,賀茂川七瀬 (川合,一条,土御門近衛,中御門,大炊御門,二条末) の3種がある。応和3 (963) 年天文博士賀茂保憲に祓をさせたのに始るとされる。のちには貴族や幕府も行うようになった。

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