丈六(読み)ジョウロク

デジタル大辞泉 「丈六」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ろく〔ヂヤウ‐〕【丈六】

釈迦身長が1丈6尺(約4.85メートル)あったというところから》1丈6尺。また、その高さの仏像座像の場合は半分の8尺に作るが、それも丈六といい、また、丈六より大きいものを大仏という。
《丈六の仏像が、多く結跏趺坐けっかふざの姿であるところから》あぐらをかくこと。
襞襀ひだもあらぬ袴の膝を―に組みて」〈紅葉金色夜叉

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精選版 日本国語大辞典 「丈六」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ろくヂャウ‥【丈六】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 「一丈六尺(約四・八五メートル)」の略。仏像の標準的な高さとされる。
    1. [初出の実例]「小墾田の宮に御宇天皇の世に、馬子宿禰、天皇の奉為に、丈六の繍像(ぬいもののみかた)、丈六の銅の像を造る」(出典:日本書紀(720)大化元年八月)
    2. 「暫く有て林の中より歩み出たるを見れば、長(たけ)は丈六、頂は紺青の色也」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
  3. じょうろく(丈六)の仏」「じょうろくぞう(丈六像)」の略。
    1. [初出の実例]「亦如前釈視父而已者唯有丈六之機」(出典:法華義疏(7C前)二)
    2. 「丈六にかげろふ高し石の上」(出典:俳諧・笈の小文(1690‐91頃))
  4. ( 結跏趺坐(けっかふざ)の姿であるところから ) あぐら。あぐらをかいてすわること。趺坐。丈六居。じょうら。じょうらく。→じょうろく(丈六)をかく

じょう‐らヂャウ‥【丈六】

  1. 〘 名詞 〙 「じょうろく(丈六)」の変化した語。

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百科事典マイペディア 「丈六」の意味・わかりやすい解説

丈六【じょうろく】

仏像の高さの基準立像では像高1丈6尺の像,座像では像高8尺の像をいう。なお像高が8尺の立像,4尺の座像を半丈六などという。
→関連項目大仏

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「丈六」の意味・わかりやすい解説

丈六
じょうろく

仏像の背丈 (丈量 ) の一基準。仏は身長が1丈6尺 (約 4.85m) あるといわれることから仏像も丈六を基準とし,その5倍,10倍,また2分の1などに造像された。坐像の場合の丈六像は半分の約8尺 (2.43m) ,半丈六像は約8尺の立像。

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普及版 字通 「丈六」の読み・字形・画数・意味

【丈六】じようろく

仏身の高さ。

字通「丈」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の丈六の言及

【厩坂】より

…興福寺の前身である厩坂寺もこの付近にあった。橿原市久米町と石川町の境に所在する小字丈六(じようろく)は,あるいは厩坂寺と関連を有するかもしれない。【和田 萃】。…

【仏像】より

…そのころ造寺・造仏関係の工人たちの渡来も伝えられ,日本の仏像はまさに半島のそれの輸入,直模であったといってよいであろう。正史の伝える日本での本格的な造像の最初は,606年(推古14)の飛鳥(あすか)寺本尊,金銅丈六釈迦像で,これは損傷・補修甚だしい状態であるが同寺に伝世する像(飛鳥大仏)にあたると考えられている。これらの仏像の様式は半島経由とはいいながら,中国の6世紀前半の様式を忠実に学ぶもので,材料としては銅と木が主体であった。…

※「丈六」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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