中国で徴税の基礎固めのために行われた検地のこと。隠地の増大時期または国初期に実施された。宋代の方田法・経界法,元代の経理法でも行われたが,全国規模で測量されたのは,明初と明末,張居正の丈量(1580)の2度だけである。丈量は自丈,覆丈,会計の3段階を経て行われる。自丈では土地所有者の立会いの下,弓手と算手ら(民間の丈量担当者)が1筆ごとの土地を測量し,土地台帳(魚鱗図冊)を作る。覆丈はその報告に虚誤なきかを知県が実地に点検し,徴税台帳を作る。会計は毎年の徴税予算額を決定施行する。しかし測量技術上の不備・不統一,税畝(納税単位に換算された面積),抽丈(覆丈のとき抜き取り調査のみ行う)等のため,丈量後,納税の公平化は達成されず,徴税額が帳簿上で一時回復されただけであった。張居正の丈量が一応完成し,その後全国丈量が行われなかったため,郷紳支配が台頭する一因となった。
執筆者:西村 元照
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…10歳で即位したため,政務はもっぱら内閣の首席大学士であり,帝の学問上の師でもあった張居正に委ねられた。張居正は内政において,綱紀の粛正,冗官の整理につとめたほか,国家の財政収入を確保するため,1580年(万暦8)以来,全国的な土地の再測量と登録更新,すなわちいわゆる丈量(じようりよう)を行った。対外的には各辺境の防備強化につとめ,とりわけ北方のモンゴル族の侵入を阻むことに成功した。…
…財政については,国初以来の古い原則と現実との間の矛盾が大きいうえ,官僚機構の腐敗と有力者の不当行為が結びついて,徴税の不当不正と非能率は目に余り,すでに正徳年間(1506‐21)から地方的に改革が試みられていた。徴税の基礎となる丈量(土地測量)を全国的に実施し,一時的にもせよ財政を再建したのが,万暦(1573‐1619)初期の張居正である。彼は幼い万暦帝の師傅(しふ)として母后の信頼を背景に,官僚の綱紀粛正に努力し,土地の丈量・再登記によって,嘉靖以来徐々に実施されていた税制改革を,いっそう効果あらしめたと考えられる。…
※「丈量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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