改訂新版 世界大百科事典 「三品彰英」の意味・わかりやすい解説
三品彰英 (みしなあきひで)
生没年:1902-71(明治35-昭和46)
神話学・古代学者。滋賀県に生まれる。1928年,京都帝国大学文学部史学科を卒業し,海軍機関学校教授,イェール大学客員教授,大谷大学教授,同志社大学教授を歴任した。60年から68年まで大阪市立博物館館長を務めた。民族学,とくに1920年代から30年代のアメリカ民族学の成果をとり入れて,日本・朝鮮の古代学,比較神話学等に業績を残した。始祖伝説=建国神話を通じて日本神話と周辺諸文化の神話・伝説との関係を考察した研究は,日本における神話研究の先駆をなすものとして高い評価を得ている。おもな著作に《建国神話論考》(1937),《日鮮神話伝説の研究》(1943),《新羅花郎の研究》(1943),《日本書紀朝鮮関係記事考証》上(1962),などがある。
執筆者:加藤 泰
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報